2011-01-01から1年間の記事一覧

ボトムアップ注意とトップダウン注意

BLUE BACKS『人はなぜだまされるのか』を読んでいて表題の注意の違いがあることを知りました。 ちょうどアイトラッキング調査のことを考えていました。 何を考えていたかというと、 トラッキングデータでは視線がそこに集中しているのにインタビュ…

ダンバー数

人間が「安定的な関係を保つことができる認知的上限数(人数)」のことをダンバー数という。 その数は上限150人で100人くらいが現実的な数値らしい。(wikiでは上限ではなく平均値としているが) SNSによって、世界中の誰とでも仲良しになれるはず…

デザイン評価のインタビュー

飲食品以外のコンシューマーグッズのデザイン評価のFGIが続いた。 女性たちの評価コトバは相変わらず「カワイイ!」であった。 大きさ、重さ、厚み、表面の色、線、図案もひっくるめて「カワイイ」かどうかである。 「どの部分からカワイサを感じる?」と…

ソマティックマーカー仮説とブランドロイヤリティ

読んだつもりになっていたダマシオの「感じる脳」を読んでいる。p195情動信号の再生はいくつもの重要な仕事をする。その情動信号は<略>その問題に対する推論の質を強化する。 <略> あなた自信の通常の推論が教える前に、それが「するな」という。またそ…

マーケティングデザイン

昨日のアウラセミナーで「認知(アイ)トラッキング」を取り上げた。 テーマはCookDoのデザインインサイトは何か?であった。 結果は、 ・画面をタテに大きく区切る2分割(3分割)の線 ・アップで撮影され、レンゲか箸で「動き」を出しているシズルカット …

前に進む力とランダムウオーク

昨日で日経本誌私の履歴書「山下洋輔」が終わった。 連載中から最近読んだダグラス・パーヴァイアンス、跡部徹『前に進む力』と比較していた。 山下もダグラスもジャズメンで、どちらも「成功」している。 2人の違いをいろいろ考えていた。 山下はオーケス…

アナログアイトラッキング

次回のアウラセミナーではアイトラッキングを取り上げる予定、ということで読んだ古賀一男『知覚の正体』河出ブックス。 眼球運動一筋に研究したロシアのヤーバス(初めて聞いた)が60年も前に『眼球運動と視覚』という本を出版していた。 現在のアイトラ…

小説書きのインサイト

小川・岡ノ谷『言葉の誕生を科学する』を読んで始めて小川洋子という作家に興味を持って本を探していたが小説より先にエッセイ集が見つかってしまった。小川洋子『物語の役割』を読んでいて、これはインサイトではないかとふと思った箇所。P71 「ストーリー…

消費者インサイト

@simfarmさんのツイートに触発されてインサイトについて考えた。 特に消費者インサイトについて。 消費者インサイトとは消費者がブランド選択をする時の「最後の決め手」「最後に背中をひと押しする要素」としておこう。例えば、 駅近だが間取が狭く手ごろ…

必要以上、過剰、やりすぎ、贅沢

311とフクシマ以来「必要十分」「身の丈に合った」「(自然との)調和」といった意識で生活している、して行こうという人が増えているのだろうか? 経済でいえば、成長よりも成熟、競争よりも協調ということでやみくもに豊かさ(拡大)を求めても全体の幸…

P&Gのイノベーション

『ホワイトスペース戦略』マーク・ジョンソンを読んだ、というよりペラペラとめくってみた。 クリステンセンの盟友という帯を見て買ってしまったが、盟友を越えてはいないようだ。 ただ、注目できるのがラフリーという前のP&GのCEOの序文である。強引…

アナログアイトラッキング

プロービングの方法のひとつになるかと思い、アイトラッキングをやってみた。 アイトラそのものが目的ではなかったのでインタビュー中で「ちょこっと」やった程度である。アイトラッキングの装置、機械は費用が高い割には「分析しやすいデータ」を提供してく…

やっぱり赤ちゃんは哲学しない

開一夫『赤ちゃんの不思議』(岩波新書)を読んだ。 少し前『哲学する赤ちゃん』(著者は外国人)をよんでいたが、開さんの本の方が格段にわかりやすかった。 最近の赤ちゃん研究の成果が詰まっていておもしろい。 大人になってしまったわれわれは体験してき…

雨の日曜日

雨の日曜日と日曜日の雨との間には深い溝がある気がする。 今日は雨の日曜日であった。 ・天気予報で雨だった。 ・朝から夕まで雨だった。 ・風はなく「風雨」ではなかった。 ・一日中、休みなく、激しくなることもなく降り続いた。 ・しかも一日中日曜日で…

扇のカナメ

あれは何歳くらいの時だったか、ふと気づくと扇の要がひっくりかえっていた。 これでも人並みに将来の可能性は信じていた。 今はこんなことしてるが、「やがては」と思っていないと「やってられなかった」のである。 周囲も会社を辞めて学校に入り直したり、…

日曜日の夜の個性的な人々

グループインタビューの経験から出てきた自分だけの「伝説」。 日曜日の午後3時以降から始まるグループインタビューはほぼ必ず、他の時間帯のグループインタビューと「違う」印象になる。 まず、独特な雰囲気を持つ個性的な対象者が集まることが多い。 以下…

体のどの部分が好きですか?

芸能人へのインタビューなどで時々あらわれる質問に「○○さんは自分の顔でどの部分が一番好きですか?」というのがある。 カオの魅力を部分に分解できるかもしれないが、分解した部分を統合しても元の「カオの魅力」は再現されない。カオはコラージュやモンタ…

情報習慣病

岡ノ谷一夫さんのネーミング。 生活習慣病の原因の一説に「人類はその歴史の99%以上を飢えの中で過ごした、食べ物は食べられるときに食べられるだけ食べる。という行動様式が遺伝子に組み込まれた。その遺伝子が飽食といわれる現在になっても発現するので…

墓はあるの?

通っている歯医者の先生、同い年で福島はいわきの出身。 名門の出らしく、墓も広いらしい、父親の造った五輪の塔が震災で倒れ、菩提寺にやっとのこと頼み込んで修理のダンドリがついたとのこと。 本人夫婦も子供たちも全員、東京に出てしまっているので家は…

チンパンジーの自立

松沢哲郎「想像するちから」という本でチンパンジーと人間の子育てを比較していた。(p36あたり) チンパンジー ヒト 5年に1回生む 年子でも生める 妊娠期間240日 妊娠期間280日 授乳期間が長い(5年くらい) 授乳期間は2年くらい 母親が1人で育…

ツール・ド・草津

17日に脊柱管狭窄症いらい3年ぶりのヒルクライムレースに参加してきた。 ツールド草津は初めてだし、前日は新潟で仕事をして前夜10時頃に草津に入るというスケジュールで、正直、完走できるかどうか自信はなかった。 高崎から長野原草津口までの電車か…

セミナー案内

臨時のアウラセミナーを開催します。 「企業で必要なリサーチリテラシー(新米リサーチャーが押さえておくべきこと)」<震災とマーケティングリサーチ> 震災、原発事故、電力不足という一連の動きの中で、 ・テレビ広告がACに占拠された ・予定されてい…

石原都知事とコンドルセ投票

震災と原発で浮き足立っている中でも選挙は行われるらしい。 札幌出張中に朝の準備で横目で見たいただけなのではっきりしたことは言えないが、テレビを見ていて石原の圧勝は仕方ないのかなと思った。(たぶん、フジテレビ系の日曜日朝の番組) 渡邊さんが若…

P&Gの調査部

Twitter上でP&Gのリサーチ責任者が今後サーベイの重要性は非常に低くなって、ソーシャルメディア系のリサーチ方法を研究した方がよろしい。とリサーチ会社向けに発言したという話題が取り上げられていた。 ほんとにそうなのかよくわからないが、いくつか…

不謹慎な企画展

仕事は全てキャンセルでヒマにしていたので、金曜日にバイク便の代役で書類を届けたあと、ふらふら三菱一号館美術館に行ってきた。 「マリー=アントワネットの画家 ヴィジェ・ルブラン-華麗なる宮廷を描いた女性画家たち-」という企画展をやっていた。ルブ…

ニューロマーケティングと感覚器の進化

岩堀修明「図解・感覚器の進化」読了。 現在の脳科学ブームは感覚器が外部情報を得てから先の感覚・意識・認知の話だがその入り口の感覚器の進化を多くの図解でわかりやすく解説した良書。と思う。 気づかされたこと ・視覚器は脳から作られた(皮膚からでは…

ダニエル・カーネマンとモデレーション(統計的予測と臨床的予測)

「ダニエル・カーネマン心理と経済を語る」の自伝の部分におもしろい記述があった。(p75あたり) 21歳で中尉としてイスラエル軍に赴き、すぐに「新兵の適性テストをもっと信頼性の高い方法にせよ」との命令を受けた。 その当時、女性エリートの面接官…

感覚、知覚、認知

感覚器からの情報が脳に伝えられることにより生ずる印象が「感覚」である。感覚に強さや時間的経過などが加味されると「知覚」になる。さらに知覚が過去の経験や学習に基づいて解釈されて「認知」になる。 岩堀修明『図解・感覚器の進化』ブルーバックス-p1…

食卓の味付けの「新常識」?

2月16日日経夕刊の「らいふプラス」に食卓の味付けに変化の兆しが表れている、とある。 要はみそ・しょうゆの伝統的な和風味付けから、マヨネーズやスパイス(わさび・七味とうがらし以外か?)を決め手にした味付けが増えているということらしい。 そし…