デザイン評価のインタビュー

飲食品以外のコンシューマーグッズのデザイン評価のFGIが続いた。
女性たちの評価コトバは相変わらず「カワイイ!」であった。
大きさ、重さ、厚み、表面の色、線、図案もひっくるめて「カワイイ」かどうかである。
「どの部分からカワイサを感じる?」とプローブしても「だってカワイイじゃん」でおわり。
小さく、軽く、薄く、ピンクやパステル系色、細い曲線、具象的図案が、カワイイとされ、その反対が「カワイクナイ」とされるが、そんなことインタビューしなくてもわかる。
同じ小ささでもどうしてAよりBがカワイイのか納得できる反応は得られない。

さらに男子大学生の間でもこの「カワイイ」がケレン味なく使われ始めている。
女性ほど素っ頓狂な(失礼)言い方ではないが意味内容は同じようであり、プローブしても「まっ、カワイイじゃん」で終わりである。
製品ジャンルによって違うのは当然だが、男性向けにも一般的に「カワイサ」が重要になっていくのだろうか。

これも製品ジャンルで違うが、「シンプル」「すっきりしている」がデザインの評価語として頻繁に使われていた。
これはプローブするとどの部分からシンプルさを感じるか、どの部分がすっきりしているかの返答は割合、的確に納得いく形で出てくる。
そこでわかったことだが、シンプルが「何もない」ことを意味していて、「判断停止」の結果が「シンプルでいいじゃん」になっている場合があることである。(もちろん、全てがではない)
推敲を重ね、あったものを削りに削って、結果シンプルになったという評価をハナからしようとしない。
それが一般消費者と言ってしまえばそれまでだが、デザイン評価のインタビューで「シンプル」という評価には深いプローブが必要という教訓は得られそうである。