2011-01-01から1年間の記事一覧

顧客に愛される会社のソーシャル戦略

跡部さんの3作目である。 ソーシャルメディアをファン作りに活用する時のノウハウ、事例、留意点が具体的に書かれていて「やりたい」と考えている企業、「どう展開していこうか」と悩んでいる企業の担当者やその上司にはとても参考になると思う。140ペー…

着てはもらえぬセーター♪

最近、やたらと懐古的になっているなとの自覚はある。 老齢と出口なしの鬱屈のせいかとあきらめる。 で、今朝は寒かった。 バスに乗ったら、いい年齢のおばさんが一心不乱にスマホでメール(らしき)を打っていた。 昔、この年齢のおばさんが、この季節にバ…

『受験脳の作り方』のはじめに

池谷裕二さんの改訂文庫本版のはじめに『科学者はたいてい慎重です。確実なことが言えない限り、口を閉ざします。現在の脳研究のレベルを考えれば、本来ならば「科学的勉強法」といった謳い文句は時期尚早な勇み足です。』この後、確実なエビデンスが取れる…

演出

くらい雨の朝のせいで南の海のビーチを思い出した。 そういえばフランス(欧州)映画の海辺のバカンスシーンでは人々はデッキチェアや砂浜のシートに寝転んでやたら本を読んでいた記憶がある。 「太陽がいっぱい」でも「ベニスに死す」でもそんなシーンがあ…

谷川俊太郎

多くの人が言うように日本で唯一の詩人である俊太郎さんを久々に読む。 文庫本も合わせれば3冊ぐらい同じ本を持っている。タイトルが「ひとり暮らし」 ひとりが好きなのに結婚なんかするから何回も離婚することになってしまった。 (とは、本人は思っていな…

ソマティックマーカー仮説とマーケティング状況:推論と決断を迫られている。例えば、昼休み弁当(昼飯)買いにCVSに入った。マーケティング的な消費者行動予測:費用/便益分析を行い(推論)、最適な弁当を買う(決断)ソマティックマーカー仮説:上記…

経済とはテクノロジーの表現である

W・ブライアン・アーサー『テクノロジーとイノベーション』を読んだ。経済とはテクノロジーの表現である。 と言い切ったあと、現代のテクノロジーは、 ・自己創造するものであり ・果てしない開放性を持っており ・果てしなく新しさを追及する ものであると…

檜皮葺

雨と屋根の記憶。 トタン屋根の前は何だったか、フと思い出した。 母屋は瓦が葺いてあったが、そこから長く伸ばした庇の下に「おかって」(死語)を作ったおやじは自慢気であった。 これによって母屋の土間の「へっつい」は廃止され、火を使う仕事は「おかっ…

雪の音

「ピッチピッチちゃっぷちゃっぷランランラン」の続き。 お迎えに来てくれるお母さんが持っているのがジャノメ傘。 子供の頃、さした記憶がある。 家では「ばんがさ」と呼んでいたがジャノメ傘と違うのか同じなのかよくわからない。 そのころはコウモリ傘が…

雨、雨、ふれふれ

昨夜、駅から自宅まで雨に降られた。 駅前の本屋で少しやり過ごしたのでたいした濡れかたではなかった。 歩きながら、最近「お迎え」を見ないなと気づいた。 田舎の小学生だったころ都会から転校してきた子の母親が雨の日、傘を持って迎えに来た。 生まれて…

ラポール形成?

インタビュー調査のラポール形成のステップで「あなたは周囲の人からどんな人だと言われていますか?」を語らせると通り一遍の自己紹介に軽い断絶が起こって和やかで何をはなしても大丈夫という雰囲気(ラポール)ができやすくなる。 正確ではないが、対象者…

ラポール形成

1on1でもグループでもインタビューの最初の時間はラポール形成に使い、「和やかで何をしゃべってもよい」雰囲気と対象者の認知を得ろ、と言われています。 その方法として、 ・自己紹介をさせる ・ゲーム的な作業をさせる の2方法が主流のようです。自己…

藻谷浩介さんの方法論

『デフレの正体』を読んだとき、この人は何か独特の方法論か視点で世の中を観察しているなと感じていた。 この10月18日の日経夕刊に自らその方法論を公開していた。?数値を見るときは率ではなく絶対値でみる ?消費の現場に出かけて行って消費者目線で観…

「かわいい!」はおバカな高校生の表現ではない

今回は大学生3人と主婦1人、OL1人の計5人にインタビューした。 まとめとして「かわいい」という表現をどう自覚的に捉えているかインタビューした。 結果が、 ・感覚として漢字表現は馴染まない。ひらがな、もしくはカタカナ。 ・使用場面が広がった ・…

ダンバー数と5億人

安西祐一郎『心と脳』岩波新書 直接対話とWebコミュニケーションとの違い5つ。1.コミュニケーションの中での知覚情報の違い。 直接対話=表情、声、ジェスチャー、周囲の環境などを直接知覚して総合できる Web=ある時間や空間で切取られた視覚と聴覚…

場の共有

数十年以上変化の乏しかった調査業界に久々にイノベーションをもたらしたのがネットリサーチである。 (その前のイノベーションはコンピューターによる集計。特にPCでデスクトップで集計・分析ができるようになったことか)ネットリサーチが圧倒的な費用効…

かわいいは情動的防御反応?

凡人の身としては、現在をはさんで過去10年、未来3年の前後15年未満の時間間隔の中で思考している気がする。 図のような600年ものトレンドは知識としては受け付けても実践的思考にはなじまない。 家康が江戸に幕府を開いたころは1千万強だった人口…

ジョブスはやっぱりかわいくない

56歳で膵臓ガン。CEOを退いて数か月。臨終の床では充足感が満ちてたのか、やり残してきたことへの焦燥感があったのか、ジョブスより年齢では長生きしてしまった自分には気にかかるところ。 数年前『アイコン』を読んだとき、すばらしい人だがこの人とは…

タイトルにだまされやすくなった

最近本選びに失敗が多い。隠れた脳―好み、道徳、市場、集団を操る無意識の科学(2011/09/10)シャンカール・ヴェダンタム商品詳細を見るこれはタイトルと装丁に騙された。 著者欄を見れば、ジャーナリストでもあるサイエンスライターだから、内容は想像がつい…

ベッドに合わせて足を切る

油谷遵『マーケティングサイコロジー』p113〜116 で、p116に「プロクラステスの寝台」が出てくる。優秀なマーケターでもことインタビューの現場に出てくるとこの「プロクラステスの寝台」の罠にはまることが多い。 対象者の個性を殺し、標準や平均を求めた…

FGI対象者のペルソナ

油谷遵『マーケティングサイコロジー』p136 被面接者の分裂 分裂という恐ろしい表現を使っていますが、簡単にはFGI出席者の中での「困った人たち」のタイプ分けのことです。 油谷さんはまず、1人の対象者としての振る舞いとグループの中での振る舞いに…

モデレーターのインサイト

油谷遵『マーケティングサイコロジー』p87に面接主体(モデレーター)の分裂という記載がある。 モデレーターは以下の6つに分裂させられる。(6つの役割を持つ) 1.1人の出席者 2.観察者 3.分析者 4.調整者(司会者) 5.報告者 6.統制者 6の統制者とは…

生活心理分析とインサイト

油谷遵『マーケティングサイコロジー』(1984)にあるように生活心理分析は油谷さんの造語である。 彼は生活者の生活を「まるごと」把握することを目的としていた。 そのために 生活構造分析 生活行動分析 生活心理分析という図式を提起した。生活構造分析は…

マーケティングインサイト

30年以上前に読んだ記事を記憶だけで書いてみる。ネスレだったかゼネラルフーズだったか忘れたが、インスタントコーヒー(IC)を発売した当時、ターゲットは忙しいワーキングマザー(当時は共稼ぎ主婦と言った)とし、朝のあわただしい時間帯でもきちん…

ペルソナは彫像

第19回アウラセミナーでペルソナを作った。 コンセプトは「ママ友のスターバックス」で、結婚してスタバを卒業した主婦のスタバ再入学によって来店客増をねらう。或いは新業態の開拓という設定でペルソナを作ってみた。 自分も含めてペルソナビルドの過程…

ダンバー数はホントか?

ダンバー数が気になって本を買ってしまった。 読んでみて、ホントか?という疑問が大きくなった。友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学(2011/07)ロビン ダンバー商品詳細を見るまず、進化心理学に偏見が大きいのかもしれないが、読んでいて「血…

安心を得るために不安をかきたてる

不安を取り除けば安心が得られる。 ところが、ある不安が解消されて安心していると、その安心が「不安」になるらしい。 いまの世の中、そんなに安心できる訳がないということだ。 するとどうするか、新たな不安材料を探し歩き始めるのだ。二酸化炭素の排出を…

空想展覧会

日経本紙、私の履歴書、小泉淳作、8月13日に「ルオーは厚塗りした絵を1年間ほっといて、1年後にその絵の具を削って、さらに上に絵の具を塗る」という方法であの分厚い、どっしりとした画面を作っていた。という記述があった。それぞれの美術館で開催さ…

「脳死」と「脳始」

「脳死」と「脳始」ダジャレみたいだが結構深刻な問題。 福岡伸一『世界は分けてもわからない』のP144あたり。(たぶん、「脳始」は福岡さんが言い出した) 脳死は植物人間化(対策)と臓器移植に深く関係している。 呼吸停止、心臓停止、瞳孔散大の3条件…

ペルソナビルドのインタビュー

次回のアウラセミナーではペルソナを取り上げようと考えています。 ペルソナという手法は、我々が普段関わることが多い消費財相手のリサーチにはあまり向いていない方法かもしれません。 自分の知識ではアプリケーションソフトの開発現場がペルソナの活躍の…