モデレーターのインサイト

油谷遵『マーケティングサイコロジー』p87に面接主体(モデレーター)の分裂という記載がある。
モデレーターは以下の6つに分裂させられる。(6つの役割を持つ)
1.1人の出席者
2.観察者
3.分析者
4.調整者(司会者)
5.報告者
6.統制者
6の統制者とは1〜5を統制するとおいう意味だから実質は5つの役割ということになる。

ここでの発見はモデレーターの役割として「1人の出席者」をあげていることである。
もちろんFGIの現場に立ち会うのだから出席者にはちがいないが、多くの場合2〜6の役割を意識してFGIに臨むのがモデレーターである。
対象をを観察し、発言の背景を分析し、グループ全体を調整し、報告書のストーリーを作ろうとすることに集中する。
これができるだけですばらしく優秀なモデレーターなのだが、それに加えて、いや、それを実現するために「1人の出席者」の役割を意識する必要がある。
対象者の発言に快・深いを感じ、ムっとしたり笑ったり、テーマについては態度があいまいな出席者となるのがモデレーターの役割だと言う。

対象が子供だったりすると限界があるが、子供は一層、「この人(モデレーター)は自分たちの仲間かどうか」という判断を一瞬のうちにしてしまい、協力するか(話すか)しないか(だんまりを決め込むか)の態度を決めてしまうことがある。
性や年齢、職業、社会階層が違っても無理なく「1人の出席者」になれる訓練も必要である。

モデレーションインサイトかもしれない。