空想展覧会

日経本紙、私の履歴書小泉淳作、8月13日に「ルオーは厚塗りした絵を1年間ほっといて、1年後にその絵の具を削って、さらに上に絵の具を塗る」という方法であの分厚い、どっしりとした画面を作っていた。という記述があった。

それぞれの美術館で開催される企画展での「解説パネル」は基本、読まない。(もちろん、音声解説のヘドフォンも借りたことが無い)
読まないので内容は確認できないが、多分、その企画の時代背景や当時の絵の傾向、などが書かれているのだろうと想像する。
さらには社会・経済的、庶民(貴族)の生活ぶりなどの記述もあるのかもしれない。
これら美術史的な文字情報をインプットしてしまうと絵を見るとき何らかの「隠蔽効果」が働くのではないかと恐れて「解説パネル」は見ないことにしている。
貧しいながら自分の「眼」の鑑賞力を試してもいる。

ルオーの技法の話を読んで、「解説パネル」をその作家・作品の手法にフォーカスしたらおもしろかろうと空想した。
作家の基本手法とそれぞれの作品の想定される描き方だけの解説である。
これなら展覧会を見ながら「眼」の力が強化されて面白いのではないか?
藤田や岡鹿ノ助あたりだったら興味深い。