着てはもらえぬセーター♪

最近、やたらと懐古的になっているなとの自覚はある。
老齢と出口なしの鬱屈のせいかとあきらめる。
で、今朝は寒かった。
バスに乗ったら、いい年齢のおばさんが一心不乱にスマホでメール(らしき)を打っていた。
昔、この年齢のおばさんが、この季節にバスに乗れば「編み物」が定番だったはず。
するどい編み棒の先が怖かったが、凶器を器用に平和利用してマフラーとかを編んでいたものだ。
そういった平和な編み物と違って、職場で女子社員が昼休みにやっていた編み物には戦闘の匂いがあった。
あの子は誰のために何を編んでいるのか。直接問いただせない男性社員は遠目で見ないふりをしていた。
クリスマスかお正月には決着がついて、宝くじと同じようにカスリもしないのだが。
で、当時(だと思う)都はるみという歌手が「着てはもらえぬセーターを寒さこらえて編んでます♪」とうなっていた。
自分は「そうですか」という感想しかなかったのだが、モテていた友人が「こんな女に惚れられたら、たまらんなー」と嘆くのを聞いてやっと意味がわかった。
そんなのっぴきならない恋愛体験がない自分には想像できない感情のやり取りがあるのだ、と感心した。
では、ということで、中島みゆきの「道に倒れて誰かの名を呼び続けたことがありますか♪」の解釈を聞いてみた。
そしたら、中島みゆきは女個人の中で完結しているから、これはこれで問題ない(?)とカレは結論づけていた。
両者の違いがいまだによく理解できないが、女子社員の編み物を見て「ウワー、たまらん、やめてくれ」と思っていたヤツもいたんだな。と発見であった。