2010-01-01から1年間の記事一覧

ブタ積みされるデータ

昨日(7月15日)荻原さんの講演を聞いた。 おもしろい内容だった。 きちんとした感想ではないが、「ブタ積みされるデータ」というコトバが思い浮かんだ。・収集しようという意志や投資をしなくてもクラウド側に膨大なデータが蓄積されている。 ・収集しよ…

ツールドフランスのドーピング

ツールドフランス第一ステージはペタッキが6年?ぶりでステージ優勝した。ゴール前1キロで大落車があってヒヤヒヤしたが新城も35位でケガもなかった。 ペタッキがツールを離れていた理由にドーピング問題も大きかったと思うが、昨年はドーピング違反もほ…

DaybyDayインタビューはエスノグラフィー

DaybyDayインタビューはエスノグラフィックインタビューに分類できる。 エスノグラフィーの主要部分は「参与観察」と「ケーススタディ(の社会文化的解釈)」であると考える。 DaybyDayインタビューは参与観察ではないが、通常のインタビューよりも対象に「…

ヒトは料理で進化した

「火の賜物」リチャード・ランガムを読んだ。 サブタイトルが、ヒトは料理で進化した。である。 火の獲得によって、暖をとる、夜間肉食獣の襲撃を減らせるなど類人猿から離脱する進化のきっかけを得たということは納得的である。(ホントにそうかはわからな…

勇気をもらう。元気をもらう。

サッカーワールドカップの日本代表の試合から「勇気をもらった(もらう)」「元気をもらった」という表現が典型であろう。 このコトバは高度成長期以降に使われるようになった気がする。 少なくとも20年前にはなかったと思う。 勝手に解釈すると、オリンピ…

対象者を愛しましょう!

「先生、カエルが脱皮してその皮を食べています!」という本を読んだ。 小林朋道さんという鳥取環境大学の先生の「先生、…」シリーズの4作目らしい。 森の人間動物行動学とサブタイトルにあるが、人間動物行動学という学問分野はあるのだろうか。 そんなこ…

舞い降りるリサーチの神

最近、グループインタビューでモデレーターのすぐ横の席に座っていただいたクライアントの方が「印象が全然違いますね!」とある感動をともなって話された。 こちらにはモデレーターを始めた頃の感動がよみがえった。 体験してみないとわからないことだし、…

統計学より脳科学

「脳の可塑性と記憶」塚原仲晃(岩波現代文庫)を読んだ。 1987年の出版だから20年以上前の本で、解説でも「その後の脳科学の急速な発展」とあるが、読んでみて最先端の内容という印象しかない。 脳科学はそれなりにフォローしてきたつもりだったが、…

サイパンの米軍滑走路

だいぶ昔ですが、林知己夫先生が講演でサイパンにできた米軍の滑走路の長さ、本数を予測したという話しを聞きました。日本本土に来襲するB29と支援戦闘機の数を編隊数、編隊内の機数、来襲都市、時間、損耗状況などのデータを軍からもらい、コンピュータも…

切歯扼腕 DaybyDayインタビュー

夢で誰かと論争していて、相手の攻撃に思うように反撃できず、つまりは寝ているので口がうまく動かない。(口が動いたら「寝言」になっているのだろう。)悔しい、惜しい、まさに切歯扼腕の最中に目が覚めた、という体験はあまり一般的ではないのか。 夢の中…

「グルト!」のインサイト

アウラのセミナーで「グルト!」をとりあげた。この3月にヨープレイトが明治乳業から発売した新製品である。 この新製品のユーザーに1on1インタビューを2日間にわたって実施した。 同一対象に同一インタビュアーが同一のテーマで約24時間の間隔をおいて…

イソビスタ

ある空間での居心地はイソビスタで決まるそうだ。「イマココ」コリン・エラード早川書房 それほど広いわけでもない家でも自分の気に入った落ち着ける場所があるものだ。勉強部屋の机よりも居間の大きなテーブルの片隅の方が好きな子供、わざわざ、人が出入り…

ポリマス

日経サイエンス2010年6月号に「ネット版ブルバギの実力」という記事があった。 ガウアーズというフィールズ賞数学者が自分のブログで数学の問題を解く共同研究を提案した。 実験的に「DHJ問題」という「ひとり三目並べで負けるように試みること」といっ…

つらいのはどっち

「にほうより春は暮れゆく山吹の花こそ花のなかにつらけれ」という短歌は季節とともに口をついて出てくる。 ちょうど今の季節である。 自分の解釈としては、咲いた時は花の季節が終わろうとしている「出遅れた」山吹に感情移入して「つらい」と言っていると…

家族形成意欲

22歳、就活中の大学4年生女子の証言。 ・就活が最大のテーマで他は何も考えられない。最大のストレス。 ・これだけ苦労して就職できたら、結婚ごとき?で簡単に辞められない。 ・付き合っているカレはいるが結婚は全く考えていない。多分相手も。 ・結婚…

文月悠光

青信号の点滅に私が踏みとどまるとき ひとりの女が横断歩道へ歩みでる せつな、赤い光がその頬にさした。 赤信号を悠々と渡る、女のまっすぐな背中、 焦点のようなそれが忘れられない。 子どもたち! 幼い頃の記憶を見すえたまま、私は呼びかける、 色に従う…

「空気読み」企画術

仕事でも時々お世話になっている跡部さんの処女作を献本していただきました。 あまたある企画術のノハウ本との違いは、最初から最後までシンプルな訴求を繰り返していることと、単なるテクニックの詰め込みではなく、大げさに言うと「思想」を語っていること…

認知コスト

藤井さんシリーズ。 ヒトの脳の重量はサルの4倍あるそうだ。それなのに脳に流れ込む血流量は2倍くらいしかないらしい。常に燃料不足の状態にあるため、脳は省エネ活動に熱心らしい。 低コスト・低燃費で最大の認知力を生み出す方法のひとつがパターン化さ…

生きた発言録

藤井直敬さんの新書「ソーシャルブレインズ入門」から。p104あたり。 赤ちゃんと母親をビデオでつなぎ、音声を画像と時差なしで送った場合と数百ミリ秒遅らせた場合で赤ちゃんの反応が変わるそうです。(開一夫さんたちの実験) 時差があると赤ちゃんが…

データと遊ぶ

フランク・ウイルチェックの「物質の全ては光」を読み始めた。 その38ページにおもしろい記述を発見した。懐かしいオームの法則 V=IR 電圧は電流と抵抗の関係で決まる。しかし、これはオームの第一法則で、第二法則はI=V/R、第三法則はR=V/I…

家族の勝手でしょ!

岩村暢子さんの「変わる食卓、変わる家族」の続編である。 今回は「写真=事実」の提示だけで価値判断(コメント)は極力避けているようであるが、見つめる視線は固定されている。若い母親によって、食卓が乱れ、それが子供に影響し、男達の知らないところで…

後藤秀夫先生を偲ぶ

標題の遺稿集と追悼文をいただいた。 後藤先生とは15年以上同じ会社にいたが、最後まで深い接触はなかった。 それが残念でもあり、仕方なかったと納得してもいる。 自分がパネル部門に在籍していたためもあって業務での接触がなかったことが大きな原因と思…

美学と暗黙知

日経の夕刊にMITメディアラボ副所長の石井裕さんの連載が載っている。 昨日はMITに誘われるきっかけがおもしろかった。アランケイやネグロポンテは、石井さんのプレゼンを聞いて「君はMITに行くべきだ。あそこは君の美学と同じだ。」と誘ったらしい…

トヨタバッシング

トヨタの品質問題はいろいろあるのでしょうが、日本のマスコミもこぞってトヨタは問題だ、エクセレントではなくなったという論調になっているのが納得できません。 直前までは日本が生んだ究極の生産システム、世界に輸出されてる「トヨタ生産システム」と賞…

エスノグラフィは恥知らずな折衷主義

エスノグラフィの3連投。 ビジネス・エスノグラフィ、エスノグラフィ・マーケティングと冠にエスノグラフィをつけても内容に「新しさ」はほとんど無い。というのが結論のようだ。 行動観察、デプスインタビュー、文献分析、調査票による定量分析など使える…

エスノグラファー

ISS産業科学システムズというところから送られてきたセミナー案内にエスノグラファーという「職種?」「肩書?」がありました。 セミナーのタイトルは「効果的なペルソナの作り方と使い方」です。 プログラムを見ていくと?.3に各種エスノグラフィ手法の…

今、脚光を浴びる行動観察

今日はJMRAからセミナーの案内。 昨日のJMA(能率協会)と同じテーマで「ビジネスエスノグラフィー」。講師の山岡先生は記憶が正しければ、大阪ガスの行動観察研究所に関係されていたはずで、エスノと言えば行動観察、行動観察といえば大阪ガス、とな…

ビジネス・エスノグラフィ

JMAからセミナーの案内。活用事例研究セミナーとある。 ビジネス・エスノグラフィーを「仮説検証の市場調査に対して『観察を通じた仮説構築』を重視する」ことで「現実性の高いアイディアを導く」(手法)としています。 博報堂、富士通がコディネーター…

スピードはスリル

昨日の日経夕刊だったと思うが、スピード違反を主要因とする死亡事故が1990年比で9割(確か?)近くも減ったとあった。 その前々日のNHKスペシャルではスキーの滑降選手を取り上げていた。(全部は見ていない) 日経夕刊のコメントは、草食系の若者…

キリンとサントリー

破談になれば「そりゃ、最初から無理だと思ったよ。」と感じるし、交渉が進めば「いよいよグローバルな食品企業が日本にも生まれる。」と予測しただろう。こんな大きな企業の上層部の話は「床屋談義」以上のコメントは考えつかない。その中でいくつか感じた…