ブタ積みされるデータ

昨日(7月15日)荻原さんの講演を聞いた。
おもしろい内容だった。
きちんとした感想ではないが、「ブタ積みされるデータ」というコトバが思い浮かんだ。

・収集しようという意志や投資をしなくてもクラウド側に膨大なデータが蓄積されている。
・収集しようとこちら(リサーチャー)からアプローチしなくても自発的に(無料=フリー)データを出して
 くれる。
・リサーチャー(分析者)やマーケターが関与せずにエンドユーザー同士、エンドユーザーと企業が自主的に
 関係性を構築していっている。
この3点がポイントのような気がした。

素直に考えるとリサーチという仕事が独立した業として成り立たなくなる未来が描けるが、それはそれで仕方ないとして、こういったデータや関係性(の契機)の洪水にどのように対処したらよいのだろう。
その回答はさすがの荻原さんも出してはくれなかったが。

日銀が公定歩合をゼロにし、市中(銀行)に流動性を供給しても(投資機会がないので)企業にはカネが回らない状況を「ブタ積み」と表現するらしいが、上記のようなデータもリサーチャーのところには回って来ていないようで、これもブタ積みといえかもしれない。
マーケティングリサーチも「デフレ」なのか?

このような状況の原因として、
・リサーチャー側に投資機会=分析の視点=仮説を作る意欲、がないこと
・リサーチ(業)は「キチンと」収集されたデータを分析するものという思い込みがあること
の2点が考えられるのではないか。

どう対処すべきかは自分ごときではわからないが、これからのリサーチャーは洪水の中を華麗に泳ぎきり、水中から大きなジャンプを決める、イルカかシンクロの選手のようにならなくてはいけないのかも知れない。
水を計っていては沈んでしまう。
たいへんだなー!