サイパンの米軍滑走路

だいぶ昔ですが、林知己夫先生が講演でサイパンにできた米軍の滑走路の長さ、本数を予測したという話しを聞きました。日本本土に来襲するB29と支援戦闘機の数を編隊数、編隊内の機数、来襲都市、時間、損耗状況などのデータを軍からもらい、コンピュータもない時代に先生の数量化理論に基づいて計算し、米軍の装備に関する情報とを合わせて分析することで、サイパンのB29の機数から支援部隊編成、滑走路の長さ、その伸延の度合いまでを予測し、次の襲来都しと機数までをある程度予測できるようになったそうです。
さらに戦後、米軍の協力で実証したところ、相当程度正確にサイパンの基地を把握できたいたそうです。

数十分の講演の話しを記憶だけで書きましたので正確ではないと思いますが自分の理解した趣旨は上記のようなものでした。
ここで林先生を空襲で自国民が殺され、家を焼かれている中でなんと暢気な人、あるいは人非人と非難するか、そういった状況下でも自分の学問的良心と知識に従って社会に貢献したと賞賛するか、どちらの態度もありそうです。

そして、心配なのは管新政権がこういった冷徹な分析ができるブレーン、官僚集団を抱えているか、それを使いこなせるかという点です。
経済学者からはギリシャジンバブエになり得るとさえ言われている日本の財政を将来に向かって分析・予測し、そこから政策を出発させる必要を管さんが感じているか心配です。
悲観的に考えると戦後の市民運動家という種族は、林先生の行動を非難しやすい性向を持つという結論になります。