今、脚光を浴びる行動観察

今日はJMRAからセミナーの案内。
昨日のJMA(能率協会)と同じテーマで「ビジネスエスノグラフィー」。講師の山岡先生は記憶が正しければ、大阪ガス行動観察研究所に関係されていたはずで、エスノと言えば行動観察、行動観察といえば大阪ガス、となってきている。

昨日も書いたように行動観察そのものはとても古い調査手法、製品開発手法で家電メーカーや住宅(キッチン)・店舗関連では文字通り腐るほど事例が積み上がっているはずである。
では、何故この時期に「脚光を浴びる」ことになったかというとこのセミナーでは「なぜ、生活者がみえにくいのか」と枕をふっている。
生活者が見えにくいのは今に始まったことではない。
行動観察も「漫然と」行動を観察していてもそこからは何の発見も得られない。
そうかといって、あまりに強い仮説を持って観察すると強引な解釈になる。(アレは哀しくて泣いているのではない、喜びの涙だ!)
行動観察の結果から「大きな発見」があることはマレと考えた方がよい。
事例として語られるのは成功事例だけと考えるべき。

少ない体験から言えることは、行動観察では、
? 対象の行動を書き出す。(見過ごさないということと、連続している行動を分節化する)
? 行動の背景、理由を考える(書き出す。仮説を考える)
? 問題点を抽出する。
という作業を数人で分担し、そのが各自のデータを持ち寄ってディスカッションすることが大切である。

さらに観察の現場(録画を見るときも)では対象にできる限りインボルブすることである。
共感的に見る、対象に入り込む、対象に棲みこむ、などいろいろな言い方はあるが、心の中で同じように体を動かしてみる(ミラーニューロンを発火させる)ことが大切である。

そうすれば、やがて「ユりイカ!」「a-ha!」が訪れます。