ポリマス

日経サイエンス2010年6月号に「ネット版ブルバギの実力」という記事があった。
ガウアーズというフィールズ賞数学者が自分のブログで数学の問題を解く共同研究を提案した。
実験的に「DHJ問題」という「ひとり三目並べで負けるように試みること」といった内容の既に証明済みの問題で、もっとスマートな解法を見つけようと提案した。
相当難しい問題らしいが6週間で新しい証明法ができてオンライン論文データベースに投稿できたとのこと。
数学者が新しい証明を考える時、「無理手」や「悪手」を追求しすぎて無駄な時間を過ごして結果的には振り出しに戻ってしまうというロスが多いらしい。
それを自分が目指している方向性がWeb上に公開され、他の研究者との重複が避けられるので早く結果が出たということであった。
下請け的仕事や作業を「クラウドソーシング」するのではなく基幹の仕事も共同で行えるまさにネット版のブルバギである。
ブログやツイッターを媒介にしてこうした試みは今後も多くなり、成果をあげることだろうと記事にはあった。
問題点としては、Webで公開しても実質参加できたのは6人程度で、それも皆、フィールズ賞クラスの数学者だけだったことである。

マーケティングの課題でもこんな試みをしてみたいが、企業機密の問題で無理だろう。