エスノグラフィー

ダメな男

グループインタビューでそのグループの雰囲気を作る速さと深さは圧倒的に女性の勝ちで男性は完全に負けている。 小学校高学年から60代くらいまでの年齢層で男は勝てない。 20年くらい前は中学生までくらいの間と社会人になりたての頃だけ男が勝つ時期が…

マーケティングリサーチの行動観察調査

マーケティングの世界でエスノグラフィーはまだブームなのか、すでに終わったのかがよくわからない。 エスノグラフィーを「看板」にした調査会社が現れていないところから判断するとこの手法は儲けに結びつきずらいという判断で間違いないようである。それだ…

「ことばと思考」のエスノグラフィー

岩波新書で今井むつみさんという人の「ことばと思考」を読んだ。 認識や思考は言語を使って行われるので言語に規程される、だから、母語が違うと認識や思考が違ってきて相互の理解は不可能、とまでは言わないが、基本的に理解不能な部分が生まれる。 一方、…

エスノグラフィックインタビュー再び

10月27日のTwittcherの会で佐々木さんの講演を聞いた。 佐々木さんはプロダクトデザインの開発にリサーチ、特にエスノグラフィックなリサーチを組み込んでクライアントに提案し、多数の実績を積み上げて来られたようだ。(ご本人はあまり自慢話らしきこ…

DaybyDayインタビューはエスノグラフィー

DaybyDayインタビューはエスノグラフィックインタビューに分類できる。 エスノグラフィーの主要部分は「参与観察」と「ケーススタディ(の社会文化的解釈)」であると考える。 DaybyDayインタビューは参与観察ではないが、通常のインタビューよりも対象に「…

舞い降りるリサーチの神

最近、グループインタビューでモデレーターのすぐ横の席に座っていただいたクライアントの方が「印象が全然違いますね!」とある感動をともなって話された。 こちらにはモデレーターを始めた頃の感動がよみがえった。 体験してみないとわからないことだし、…

「グルト!」のインサイト

アウラのセミナーで「グルト!」をとりあげた。この3月にヨープレイトが明治乳業から発売した新製品である。 この新製品のユーザーに1on1インタビューを2日間にわたって実施した。 同一対象に同一インタビュアーが同一のテーマで約24時間の間隔をおいて…

データと遊ぶ

フランク・ウイルチェックの「物質の全ては光」を読み始めた。 その38ページにおもしろい記述を発見した。懐かしいオームの法則 V=IR 電圧は電流と抵抗の関係で決まる。しかし、これはオームの第一法則で、第二法則はI=V/R、第三法則はR=V/I…

エスノグラフィは恥知らずな折衷主義

エスノグラフィの3連投。 ビジネス・エスノグラフィ、エスノグラフィ・マーケティングと冠にエスノグラフィをつけても内容に「新しさ」はほとんど無い。というのが結論のようだ。 行動観察、デプスインタビュー、文献分析、調査票による定量分析など使える…

エスノグラファー

ISS産業科学システムズというところから送られてきたセミナー案内にエスノグラファーという「職種?」「肩書?」がありました。 セミナーのタイトルは「効果的なペルソナの作り方と使い方」です。 プログラムを見ていくと?.3に各種エスノグラフィ手法の…

今、脚光を浴びる行動観察

今日はJMRAからセミナーの案内。 昨日のJMA(能率協会)と同じテーマで「ビジネスエスノグラフィー」。講師の山岡先生は記憶が正しければ、大阪ガスの行動観察研究所に関係されていたはずで、エスノと言えば行動観察、行動観察といえば大阪ガス、とな…

ビジネス・エスノグラフィ

JMAからセミナーの案内。活用事例研究セミナーとある。 ビジネス・エスノグラフィーを「仮説検証の市場調査に対して『観察を通じた仮説構築』を重視する」ことで「現実性の高いアイディアを導く」(手法)としています。 博報堂、富士通がコディネーター…

恥知らずな折衷主義

アメリカ社会学は都市社会学として、都市の成長・発展とその病理についての研究として位置づけられると思う。その都市研究にエスノグラフィーが使われた。ただ、エスノグラフィーだけでなく、普通のアンケート調査、心理テスト、行動観察、インタビュー、二…

集団の雰囲気

長崎の中華街で出会った修学旅行の一団。 皿うどんを食べながら、非常に静かで上品ささえ漂わせているので最初は地元のお嬢さん学校の生徒かと思ったくらいでした。20人くらいが食事中で、そこに他の3、4人の同じ制服の子が入って来ても大声の嬌声もなく…

ドラッカー入門

ドラッカーを体系的に読んだことはない。そもそも体系的にものを書く人ではなかったような気がする。多くの経営者がドラッカーを座右の銘にしていることは知っていたし、自分でもドラッカーを読めばノートを取りたくなるようなフレーズに必ず行き当たった。 …

観察、行動観察、参与観察

観察調査しかできない状況 ・対象に質問できない(集団行動中の人、動植物、機械、自然) ・質問者が質問を構成できない、テーマが構造化できていない。 観察調査が有効な状況 ・対象者がテーマを意識していない、意識できない 行動観察が有効な状況 ・対象…

シングルケース研究法

9月7日、大阪ガス「行動観察研究所」のセミナーに参加したときに始めて耳にしたコトバです。 「n=1の実験計画法」という別名を持っているようです。実験計画法ですから独立変数と従属変数の因果関係が分析できるということでケーススタディとは区別され…

暗黙知、インサイト、エスノグラフィー

石井淳蔵「ビジネス・インサイト」(岩波新書)は、最近、エスノグラフィーについて自分なりに考えてモヤモヤしている状態にある見通しを与えてくれるよい本でした。20年ほど前にポランニーの「暗黙知の次元」を読んである種の感動を得て、10年前くらい…

先住民(未開人)が人類学者になる

「パロール・ドネ」レヴィ・ストロースp199これらバロック的著作と、古典主義的著作の根本的な差違は、書物の中で先住民の演じる役割にあり、それ以上のものでも以下のものでもない。じっさい、ボアズの記念碑的な著作「ツィムシアン神話学」もバルボー…

言語隠蔽効果

実験心理学には○○効果、△△理論が多すぎる気がします。このhttp:http://miwalab.cog.human.nagoya-u.ac.jp/database/resume/2008-09-11.pdf//</a>ttp://" target="_blank" title="言語隠蔽効果">言語隠蔽効果もきちんと観測されたのかあやしい部分は残るようです…

行動観察

大阪ガスが「行動観察研究所」を立ち上げたそうです。エスノグラフィーというよりインタビューという手法の限界をはっきりさせ、それを越えようとする意図と理解しました。だいぶ古い話ですし、自分が直接タッチした仕事ではないのですが行動観察で「ユリイ…

「あたりまえ」を疑う社会学

好井裕明さんの2006年の光文社新書です。サブタイトルは「質的調査のセンス」です。マーケティングのエスノグラフィーを考えるに当たって読み直しました。社会学でのフィールドワークの聞き取りに3つのタイプがあるということで、桜井厚さんの「インタビュ…

ミラーニューロン

マカク族のサルの脳に電極を埋め込んでF5運動野を研究していたイタリアの研究者が、サルの目の前でコヒーカップを掴んだら、サルのシナプスが発火した。これがミラーニューロン発見のきっかけとなったそうです。強引アナロジーで、これがエスノグラフィー…

エスノグラフィー

最近の流行らしいエスノグラフィーに関して、早めに追いついておこうということと、できれば自分達の新商品にしようという魂胆からカテゴリーを設けました。 40年も前ですが一応社会学専攻でシュッツの「現象学的社会学」は読んだはずですし、ゼミはまさに…