2017-01-01から1年間の記事一覧

自分のものはかわいい

『ココロの盲点』シリーズ第14弾は保有効果。脳は手に入れたものに愛着を感じ、手放すことに抵抗を感じる傾向があるそうです。持っているCDを友人が欲しいと申し入れた時、多くの人は買った時の値段以上の値付けをする。持っている株の売り時が遅れる、読ま…

繰り返しと発話・発語でブランドロイヤリティ

『ココロの盲点』シリーズ13弾目。テスティング効果。池谷先生の得意分野の記憶の問題。脳はインプットよりもアウトプットを重視して記憶すべきこと、長期記憶に保存すべきことを判断している。だから、明日の試験対策としては、たくさん憶えようとインプッ…

「少数の法則」はリサーチャーの宿命

『ココロの盲点』シリーズ第12弾は 「少数の法則」。少数の法則だけでは何なのかさっぱり見当がつきません。本では、ハトにブザーが鳴ったときにレバーを押せば餌が出る訓練を充分に行い、「ブザー → レバーを押す → 餌にありつける」との学習が成立したとこ…

状況をどう枠取りするかで評価が正反対のことも

『ココロの盲点』シリーズ第11弾はフレーミング効果。本の事例は、コンサート会場に前売り券を忘れて来た人と、来る途中で入場料と同じ額を落としてしまった(前売り券無し)人で、会場で切符を買う可能性はどちらが高いか。に対して後者であるとしています…

ハロー効果とインフルエンサーマーケティング

『ココロの盲点』からのネタもらいシリーズ第10弾は「ハロー効果」。ハローとは聖像の頭部上に描かれている輝く環(輪)のことだそうです。仏像でいうと「後光、光背」のことでしょう。宗教的解釈になると「わけもわからず恐れ多い」「思わずひれ伏す」状況…

モデレーターの口紅の色は赤

『ココロの盲点』からのネタもらいシリーズ第9弾。今回は「色彩心理効果」です。いろいろな色の服を女性の写真を見せたところ、赤い服が一番魅力的とされた事例をあげ、その理由として赤は血の色で、赤いと言うことは毛細血管に血液が広がっていて生き生きし…

サンクコストは意思決定の問題

池谷裕二先生の『ココロの盲点』からのネタもらいシリーズ第8弾。今回の盲点はサンクコスト。簡単に言うと選択場面で過去の投資を「取り返すことが不可能」なのにそれを考慮して意思決定すること。人間、生きていればこういった場面はたくさんありあますし、…

アンカリングも悪くない

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタシリーズの第7弾。今回はアンカリング。素早く判断しなくてはならないとき、全体の判断は、冒頭部分の情報に影響されますとして、大きい数値から始まる掛け算の列と小さい数字から始まる掛け算の列の例が挙げられています…

バンドワゴン効果を使ってこそFGI

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタシリーズの第6弾。今回はバンドワゴン効果。この認知バイアスは相当シリアスです。基本は(社会的)同調圧力で、そのさきに「集団的両極限化現象」があります。 インタビュー調査、特にフォーカスグループインタビュー(F…

後知恵バイアスはバイアスか

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタシリーズの第5弾。今回は後知恵バイアス。ことが起こってから振り返ると「前もって予測できた」「本当なら実行できたのに」と思いがちなのが人間です。例にあがっているのは、遅刻しそうになっていつもと違う道を選んだら…

常套手段の情報フレーミング

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタの第4弾。今回の「情報フレーミング」はマーケティングの世界では常に活用されている認知バイアスと言える。 池谷先生の事例は、ダイエット進行中の人が肉を買いに来た時、「赤身75%」「脂身25%」の2つの表示ではどち…

擬似的空間無視とアイトラッキング

池谷裕二先生の『ココロの盲点』ネタの第3弾。今回は認知バイアスは擬似的空間無視、リサーチはアイトラッキングがテーマです。 擬似的空間無視とは、「一般に右利きの人は、視野の左側を重要視します。映像処理は右脳のほうが得意だからです」と説明されて…

確証バイアスとマーケティング

池谷裕二先生の『ココロの盲点』をネタにマーケティングリサーチを語る第2弾。今回は、最もよく話題になるのではないかと思っている「確証バイアス」 池谷先生は、我々の脳は、「自分の仮説や信念」に一致する例を重要視する傾向があると、確証バイアスを説…

利用可能性ヒューリスティックと質問文

池谷裕二先生の『ココロの盲点』をネタに定性調査の質問の仕方、定量調査の質問文の作り方の注意点をシリーズで書いていく。今回は第1回。 ①古くから「愛の力は金にまさる」と言われますが、そう思いますか ②古くから「金の力は愛にまさる」と言われますが…

マズローの発展5段階説

欲求段階解説のマーケティング的解釈の備忘録 1980年代にマズローによって提唱された人間の欲求の発展段階説。 ヒトの成長、発達段階を順を追って解説したもので、生物としての存在からやがては唯一無二の「何か」になろうとする人間の欲求を5段階に分けた…

認知的不協和論

認知的不協和をマーケティング視点でまとめておく備忘録 認知的不協和とは消費者の認知・行動特性のこと。 人はある(選択)行動を行うと必ず「それとは反対の行動の方がよかったのでは」との認知の不協和が生まれる。(ベンツを買ったけど、「BMWの方がよか…

ペルソナにしばられる

ペルソナに基づいたマーケティングを企画していると非常に「不自由」を感じることがある。ペルソナが、わがままで頑固な上司のようにふるまってこちらの自由な発想を頭から否定してくるように感じるのだ。「ここはこの方向で行きたい」と考えるのに「イヤ、…

ペルソナビルドは平均値思考を捨てること

マスマーケティングが否定され、市場や消費者は必ずセグメントされ、セグメントの中からターゲット層を選定する。 そのターゲットに向かってマーケティング努力を集中させるためにターゲットのプロファイリングを行う。 プロファイリングは、性・年齢などの…

使える調査結果をめざして

マーケティングリサーチは、マーケティングの意思決定に使うために実施される。 使われてなんぼのもので、報告書の出来不出来はあまり関係ない。 たった2、3行の文章の1枚ペラでも膨大なグラフとあふれるコメントの大報告書でも価値基準は「使えるか(使えた…

消費者(調査対象者)の3つのアポリア

われわれのモデレーション・分析は、以下の前提に基づいている。 モノやサービスを買ったり、使ったりするとき、消費者は自分の行動や感情に「意識的」でない(気づいていない)のが普通なので、ブランド選択理由を聞かれても答えられない。(そんなこと聞か…

マーケティング的プロービング

アウラでは、インタビュー調査のプロービングに以下の5つの方法をあげてきた。 この原則に大きな変更の必要はないが、プロービングする側(モデレーター)のスタンスに違いがあることを考える必要がある。 モデレーターのスタンスが、カウンセリング的立場か…