状況をどう枠取りするかで評価が正反対のことも

『ココロの盲点』シリーズ第11弾はフレーミング効果。本の事例は、コンサート会場に前売り券を忘れて来た人と、来る途中で入場料と同じ額を落としてしまった(前売り券無し)人で、会場で切符を買う可能性はどちらが高いか。に対して後者であるとしています。確かにそうでしょうが、これは情報フレーミング(第4回)とサンクコスト(第8回)との合わせ技のような気がします。情報フレーミングは情報を出す側が意図的にフレームしますが、フレーミング効果は置かれた状況の認識の問題と考えるべきなのでしょう。

フレーミング効果といえるか微妙ですが、MRの世界で出くわす事例で、ある食品を食べたとき、あまり美味しくない、と感じたとします。その時、いつもそれを食べている人は「アレ、今日は自分の体調が悪いのかな?」と考えて、次の機会でも食べるのに、それをあまり食べたことのない人は「これは不味い(ものなんだ)」として次回からは手を出さないということが言われます。FGIでの味覚評価でこのフレーミング効果がよく観察されます。この効果を無視して分析・コメントするのは危険です。