ペルソナビルドは平均値思考を捨てること

マスマーケティングが否定され、市場や消費者は必ずセグメントされ、セグメントの中からターゲット層を選定する。

そのターゲットに向かってマーケティング努力を集中させるためにターゲットのプロファイリングを行う。

プロファイリングは、性・年齢などのデモグラ特性、行動特性、心理特性などの指標を使って行われる。それらの分析で自分たちのターゲット像が明確になりブランド開発やプロモーションの企画の基準ができる。

ターゲティングができたので、分析はここで終わらせてマーケティング施策の企画作業に移るわけだが、分析がこれで終わりとならない場合がある(むしろ、終わらないことが多い)理由は、ターゲティングのエッジが鈍いのである。具体策を考えるには漠然としすぎたプロファイルなのである。

ターゲットプロファイリングの多くは、「都会に住む、未婚で、年収400~500万円のアウトドア指向の30代男性」程度のプロファイルで終わる。これ以上プロファイル指標を増やすと細分化されすぎて、セグメントといえなくなる。(市場規模が予測できない)都会に住むと言っても湾岸のタワマンから吉祥寺ワンルームまで都会であり、未婚でも恋人がいるいないでは違う。年収も490万ならほぼ500万の生活になる。アウトドア指向の程度もはっきりしないし、30歳なら20代といってもいいだろうし、38歳ならアラフォーと言える。ということでプロファイルが崩れていってしまう。

そこで、ペルソナビルドが必要になる。ターゲットを典型的な人物像にしていくのがペルソナビルである。

ペルソナのマーケティング的効能として「チームメンバーのターゲット像が集約されて人によってブレることがない」ので「意見対立や方向性の違いが発生してもペルソナに聞くことでメンバーの合意が得やすい」ことから「初期のターゲット像がいつの間にか変わってしまった」という失敗が少なくなるのである。

平均値思考のターゲットプロファイリングは「そんなヤツどこにおるんや?」との疑問が発生し易いが、ペルソナは「分散のない1人の個人のプロファイリング」になるので具体性が保証される。もちろん、メンバー全員が納得できるペルソナを作る必要がある。最悪は、全員の納得を得るために「じゃ、年齢は24~32歳までにしておこう」と妥協することである。

ペルソナは平均値思考からは作れないし、安易な妥協はしてはいけない。