認知的不協和論
認知的不協和とは消費者の認知・行動特性のこと。
人はある(選択)行動を行うと必ず「それとは反対の行動の方がよかったのでは」との認知の不協和が生まれる。(ベンツを買ったけど、「BMWの方がよかったかな?」という反応や、クルマを買う行動そのものに「買わなきゃよかった」という反応)
この認知的不協和を解消するには「行動」を変える(ベンツを買うのをやめる)のが合理的だが、ほとんどの場合、人は行動ではなく「認知」の方を変える。変えるように努力する。という仮説。
ベンツを買って認知的不協和が発生したら、販売店に戻るのではなく、
・ベンツのよいところを探して、見つけて自分の認知の不協和を解消しようとする。
・ベンツに関わるモノ、情報に積極的に接触する。(ベンツの広告を最もよく見るのはベンツユーザーである。) → これは広告効果とはいえないのか?
・ネット検索でベンツの好意的な書き込み、口コミを積極的に見る。
のようにして認知を変えることで不協和を解消しようとする。
自分の選択は間違っていない、ベンツを買ってよかったと(無意識に)ベンツを買った自分を説得するのである。
逆に、
・BMWのマイナス情報に敏感になる
ことでも認知的不協和を解消することができる。
これは、行動特性だが、一般的に、行動を変えるより認知を変える方がコスト(心理的も含めて)がかからない、安上がりという背景がある。
返品自由・無料のネット通販でも梱包などの作業負担が抵抗(コスト)になって、「コレがいいじゃないか、似合うじゃないか」と認知の方を変えるケースが多いと言うことである
*認知的不協和の概念そのものは1950年代にアメリカの心理学者フェスティンガーによって提唱された。