世の中、関係の網の目の中

プロービングの第2のポイントは、対象者の発言を関係性を意識させるようにすることである。
世の中は関係性の網の目の中にいるが、個人の発言は関係性を考慮した後の「エッセンス」だけともいえる。
「ポッキーが大好き」という発言はどういう関係性の中で発せられたかをプローブする必要がある。
インタビュー中は一定のコンテクストがあるのでプローブしなくても大丈夫なことが多いが、時々やってみると、こちら(モデレーター)の文脈とは違ったところの関係性を前提にしていて驚くことがある。
CVSのお菓子売り場の話が進行中に「ポッキー大好き」と言われれば、他のチョコ菓子に比べて好きだということで間違いないだろう。
ところが『何と比べて?』とプローブするとチョコ味のスイーツだったりすることがある。
そこから、話が発展してチョコ菓子対生菓子の比較検討が始まったりする。
マーケターはチョコ菓子という狭い世界にセグメントして発想するが、消費者はそういったジャンル意識を持っていない。
こういった意外な展開を『今日は、チョコ菓子の話ですから』と切ってしまってはもったいない。
新たな発見や驚きの芽をつんでしまうことになる。