メタファーを引き出す

プロービングとメタファーは本来、なじまないかもしれない。
プロービングは不完全さを補うことを目的とするが、メタファーは完全さを崩す、曖昧さを増やす方向で使われるからであろう。
「ポッキーはカワイイ」に対して『どこが、どうかわいいの?』『お菓子でクァイイってどういうこと?』がプロービング。
『ポッキーのかわいさを何かに喩えてみると?』がメタファーを引き出すプロービングである。
メタファーは不完全さを補うどころか、「どこへ飛んで行くのかわからない」発散・発展の危険が大きく、インタビュー全体を混乱させそうである。
ということで『ポッキーのかわいさを動物に喩えると?色に喩えると?』などとメタファーの範囲を指定して発散を最小限にするプロービングが行われる。
同時に競合ブランドを同じジャンルの違う(動物)に喩えさせて比較させることは有効である。

ここまではおもしろい。
この後の解釈・分析が難しい。
ポッキーが子猫で、プリッツが子犬と喩えられた時、『どうして?』とプローブしたのではメタファーの効果が半減します。
ここでは『子猫はどんな様子?どんなことするかな?』『子犬は?』とメタファーを拡散させていく方がイメージは豊かになっていく。
そして、最後の分析で膨らみ切ったイメージを削って行けばよい。

これを無理なくできるのがアクティブインタビューのメタファー法である。
喩えと拡散と収束が無理なくできる。