1Q84

サラリーマンになって東京経済大学でトランペットをやっていた(当時もバリバリだった)男と知り合いになりました。ピーターキャットが国分寺にあるころから通っていたというヤツです。
ヤツとブンガクのハナシをするはずがないのですが、村上春樹群像新人賞を獲ったという話しからやつが知り合いだというので、何度かピーターキャット(そのころは千駄ヶ谷に移転)に誘われましたが、なんとなく行きませんでした。
でも、その後も春樹の作品はずっと読み続けて、一時は新聞、雑誌、PR誌まで書かれたもの全てというほどでした。

ノルウェイの森のころは2回目の転職最中だった気がします。「蛍」に比べて散漫なポルノ小説になったという印象が春樹からのディタッチメント(使い方が間違っているが)の始まりでした。
次がアンダーグラウンド。「ねじ巻き鳥クロニクル」は村上龍の「5分後の世界」とほぼ同時に読んで感動したものの春樹の熱心な読者ではなくなっていきました。(でも読んでいる)

そして、1Q84に至って、文庫になるまで待とう。となったのです。
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の続編のようなものと噂ですが、だったら一層あわてて読む必要はないかなと。
はなもちならない文体(カオも)から出てくるある種濃密な世界。ボクにとっては現実に生きている人間として最も近くに存在していた(もちろん幻として)作家ですが、作品世界に共感できて、人物(文体)には最後まで共感できそうもありません。
ノーベル賞のスピーチは聴いてみたい。ストックホルムでは壁だの卵だのは出ないだろう。