坂道美学

タモリのTOKYO坂道美学入門タモリのTOKYO坂道美学入門
(2004/10/16)
タモリ

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本棚の隅から出てきて思わず読みふけりました。
当時は自転車のヒルクライムレースにチャレンジし始めた頃で、練習場探しで買ったような気もします。この本の中に知ってる坂を見つけて喜んでいたくらいで、後は、坂の写真の撮り方は難しいけどうまく撮ってるな、という程度の印象でした。
今回、読み直して、坂道の美学の条件があったコトに気づきました。
?勾配のしかた
?湾曲のしかた
?まわりに江戸の風情をかもしだすものがある
?名前に由来、由緒がある
の4つをあげています。
この中で?と?がスペックとしての坂の魅力を構成し、?と?はネーミング、ブランディング、ストーリー性の魅力です。

山奥のヒルクライムコースにも美しい坂があります。その時は?と?の要素はないのですが、湾曲のどこか道脇に印象的な樹木がたっていたり、土手、がけがあったりして?の条件をみたしているのです。こういった名もなき坂にも美しい坂はあります。

坂の先は峠だったり、谷だったりしてそこには平面が安定的にあるのに坂の途中は傾斜によって非平衡の思想をはぐくむ。
ハイデッカー、キルケゴールを持ち出して笑わせるセンス。
タモリ大人、さすがです。
中沢新一の「アースダイバー」を越えていましたね。2004年に。