ラッピングマーケティング

前々回の記事にあるように最近、パッケージングについて考えている。パッケージングは重要なマーケティング要素である。典型は一般名称であり、湧き水、水道水とほぼ無料で手に入る水をネーミングし、きれいにデザインし、個別にパッケージングすることでブランド化できた例である。中身は悪く(毒で)なければよい、名前とキャッチコピー、インパクトのある表面デザイン、大量の広告投下でブランディングが完了した。

ところが、それが、ネット通販オンリーの時代が来ればほとんどの商品のパッケージングは不要になる。(だろう)醤油はもちろん、お菓子、洗剤などの消費財は、容器は必要だがパッケージはいらなくなる。趣味性、嗜好性の強い商品、パッケージング価値が残るがその数は少ないと予想する。これを前回は「量り売り」の復活と考えたが、もっと先進的にパッケージングの新しい価値が始まると考えてみたい。

そのひとつの仮説として、ラッピングマーケティングを考える。パッケージングとラッピングの違いをいくつかあげる。コトバ遊び的には「パッケージをラッピングできるが、ラッピングされたものをパッケージにすることはない」森永ミルクキャラメルはひとつひとつラップ(包装)されたものを外箱でパッケージングしているといえるが、ここではラッピングと個包装は別概念と考える。パッケージは規格的だが、ラッピングは自由で個性的。パッケージングされた商品は陳列しやすいがラッピングは陳列向きではない。パッケージングは生産部門で行われるが、ラッピングは流通段階で行われる。パッケージングは中身の保護・保存機能が高いがラッピングは弱い。

ラッピングマーケティングはネットとの親和性が高い。ブランディングはサイト上で自由に行い、流通過程、使用場面ではネーミングとの連動性だけあればよい。マーケティング」の主役、主戦場はWeb上になる。