「自分は変わらない」と思っても変わっていく。歴史に終わりはない

第22弾「歴史の終わり錯覚」ヒトは過去に起こった自分の変化よりも将来に起こる変化を少なく見積もる傾向があるそうです。10年前から今も友達である人数と、現在の友達の中で10年後も友だちでいる人数を答えさせると後者の人数が多いそうです。過去、自分に起こった変化に比べ将来は変化しないとの信念が全年齢層で観察できる。ここから「変化の時代は終わった」つまり「歴史は終わった」との錯覚名が付いたそうです。若者の方が新しいこと(変化)にチャレンジする意欲が高いと一般的に言われますが、ここでいう変化とは環境や仕事ではなく自分の嗜好、意思、性格のことです。

MRの現場では、あるブランドのロイヤルユーザーに「今後もこれを買い続けますか?」と質問するとほぼ、100%の継続率が観察できます。将来にわたって自分の好み、嗜好は変化しないとの錯覚を含んだ回答と考えるべきです。当のクライアントとしてはうれしい回答ですが、あまり、信用できません。それよりもロイヤリユーザーに至った過去を詳しく聞いた方が有効な知見が得られます。人は過去(記憶)も将来予測も多くのバイアスにまみれています。だからこそMRの出番があるのです。回答を鵜呑みにしないヒネクレ精神をもったリサーチが重要です。