生き物をめぐる4つの「なぜ」
長谷川真理子さんの2002年の集英社新書。
動物の形態と行動の多様性の意味は何か、進化とはどういうことなのかを考える本、だと思います。
ここで長谷川さんは動物行動の理解のためにティンバーゲンが提出した4つの「何故?」の解明を光る動物、鳥のさえずり、鳥の渡り、大きな角、雄と雌、子供の世話、などについて記述しています。
4つの「ナゼ?」とは、
?至近要因。その行動が引き起こされる直接のきっかけ、要因
?究極要因。その行動の機能と進化の関係
?発達要因。1個体のなかでどのように発達するか
?系統進化要因。進化の経路はどうなっていたか
です。
有性生殖の優位性、鳥のさえずりとミラーニューロン、DNA情報の読みとりのタイミング、など行動とそれにふさわしい動物の形態の意味はわかったが、究極の意味、どうしてそんな進化のしかたをしたのか、同じ行動が形態の多様性を何故生んだのかは納得しきれなかった。
進化とはいったい何なのか、人類は進化しすぎたのか。
最近亡くなったレヴィストロースは、地球は生物(人間)なしで始まって、生物なしで終わるだろうと言っていたらしい。
進化の意味を知らぬまま滅んでいくのだろう。