彼岸花

曼珠沙華とも呼ばれるという知識は大人になってからですが、子供の頃は「手腐れ」と呼ばれ嫌われていました。この花にさわると手が腐るとされ、祖母達は結構真剣に子供達に「さわっちゃいかん」と注意していました。
そこはそれ、ダメと言われりゃ一層さわりたくなるもので、花束を作ったことがありましたが、茎に縦の線維が入っていて切りずらく、強く押すと崩れてしまって扱いにくかった記憶があります。
その後、手は腐らないし、ニオイもしませんでした。
でも、それっきりさわったことはないと思います。

田圃の畦にポツンポツンと数本固まって、ある日気づくと突然咲いている不思議な花です。
記憶ではつぼみ(あるはず)も葉っぱもないうすい黄緑の茎がすっと伸びそのてっぺんに毒毒しい赤というかオレンジの花がついている光景は確かに異世界を想像させます。
季節もお彼岸だし、死者のニオイもあって、墓場の盛り土がドカンと落ちて、その四角のくぼみの中に手腐れがいっぱい咲いていた、などと作り話を得意気にする輩もいたようです。
大人になってメイプルソープの名を知り、彼が彼岸花を撮ったらどんな曼珠沙華になるかと思いました。

さて、彼岸花のマーケティングです。
この花と花にまつわる物語をどのように商品化するか。
季節イベントで盛り上がるのはバレンタインやクリスマスなどの洋風です。和風では盆と正月です。
お彼岸というイベントをもっとマーケティングできるのではないでしょうか。
現在はお墓参りとぼた餅だけですが、何かもっとストーリーをふくらめて、内需拡大に役立てられないでしょうか。
1年に2回ある季節イベントはあまりないと思います。

ぼた餅恵方巻きのように演出する
ターゲットは団塊世代とする
墓参りから墓=死イメージを薄くする。自分の先祖でなくてもいいではないか

うーん、やっぱり詰まった。

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