水とはなにか

ブルーバックスで新装版とあるから古い本なのでしょう。
水は空気とともに地球の生命を育む重要な物質で、地球の他に水と空気がそろった惑星はない。
0°と100°で相転移し、個体・液体・気体になる程度の知識しかありませんでした。
この本では、水はそんな単純な物質ではなく、様々な不思議な振る舞いをする特殊な物質だとしています。

本の中で印象に残ったのは「タンパク質は3層の水分子で保護されている」という事実。
最も内側のA層は1分子の厚さで隙間なくタンパク質を覆い、その外側にB層と言われる2〜3分子程度の厚さの水分子がとり囲み、さらに外側に純水と同じC層と言われる構造化された水の層がある。
この3層の水の分子の熱運動が純水に比較してA層で1/100、B層で1/10くらい遅いそうである。このお陰で、B層の水はマイナス10°で凍り、A層はマイナス80°で凍る。このようにタンパク質を低温から保護しているのが水である。

その他にも今までの無知を思い知らされる事実がたくさんあっておもしろい本でした。

水とはなにか〈新装版〉 (ブルーバックス)水とはなにか〈新装版〉 (ブルーバックス)
(2009/07/22)
上平 恒

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