アニマルスピリット

アカロフとシラーの話題の本。
マクロ経済学は勉強したことないが、ここで書かれているようなことは毎日のように消費者にインタビューしている我々には当たり前過ぎる。資本主義の中にいる消費者個人はアニマルスピリットの固まりでマクロ経済学が想定しているような合理性の方が少ない。それら個人を集計すれば、合理性が生まれるかもしれないが、全員がコンピュータになるわけではないので全体としても時に不規則で不合理な行動となる。
そのあたりは、今、はやりの行動経済学や神経経済学が研究していることと思っていたが、マクロ経済学までは届いていなかったのか。

今回の金融危機の原因とプロセスはいろいろわかってきたが、この本でも「どうすりゃいい」という提言までには至っていない。世界の英知でもわからないことなら東洋の片隅の黄色い猿(アニマル)にわかる訳ないか。

山形浩生さんの訳と解説は、ボケ損ないのお笑いタレントみたいな部分がハナにつくが、自分だけか?
英語が全くできない自分が言うのもおこがましいし、もちろん原文にあたっていないが「ガマの油」という訳はほんとにどれくらいアカロフ・シラーの雰囲気を伝えているのだろう。