はじめての現代数学

数学にいわれなき憧れを抱く人は多い。偏見を恐れずにいえば、そうした人は大学受験前に数学を諦め、理系もあきらめた人である。数学ができて、絵が描ける、音楽ができる、作家である、経営者である、となるとそれだけで自分の数百倍豊かな精神をもっているのではと嫉妬に狂う。

この本も無限、集合論トポロジー不完全性定理、ファジィ、フラクタル、カタストロフィー、と一生かかっても理解できないコトバがいっぱい。これら数学の理解はすすまなかったが印象に残った著者のことば。

数学の理解のどのような段階においても、その形式が持つ意味を理解することこそが、数学がわかることの最初の一歩であり、かつ最後の一歩にほかならない。そしてその意味は「モノ」にだけあるのではない。抽象的な関係としての「コト」についてもその意味はきちんと存在する。

モノからコトへ、そしてコトをモノとして扱って新しいコトへ。数学はそのように発展してきたらしい。

ペレルマンフィールズ賞の授賞式に来なかったのは、アメリカにいる(いた)中国人のエライ数学者が陰に陽にペレルマンを貶めたかららしい、という噂があるがこの本には触れられてない。

はじめての現代数学 (数理を愉しむ)シリーズ (ハヤカワ文庫NF)はじめての現代数学 (数理を愉しむ)シリーズ (ハヤカワ文庫NF)
(2009/03/31)
瀬山 士郎

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