もうすぐ一周忌
別に愛とか恋とかではない。
30年以上一緒に生活してきた人が亡くなって1年になろうとしている。
考え方や行動に同意できないものもあったが幸い離婚せずにきていた。
まさに空気のような存在になろうとした時に死んでしまった。
祖母、父親、母親、を失ってきたが、コトバは変だが妻はやっぱり格別である。
この1年、炊事・洗濯・掃除は全く苦にならない。淡々とこなしている。
野村克也さんが、奥さんが亡くなって「何もかもおもしろくない」と言っていた。
なんとなくわかる気がするが、まだ、やり残している仕事がオレにはある。
これが完成したら、ほんとに生きていても何もおもしろくないかもしれない。
そうなっても死ぬまで生きているだろう自分の姿がうまくイメージできない。
そういえば、江藤淳は奥さんを亡くしてすぐに自殺したと記憶している。
あの文体からは想像できなかった。
生まれるときは誰も自分の意志ではない。
死もそうであるのか、意思をもてるのか。
「もう、いいや」と思えればいいのだろう。