楽観マーケターと悲観リサーチャーの統合

前々から思っていたというか、業界の常識らしいが「マーケターは楽観主義者、リサーチャーは悲観主義者」というのがある。楽観的な人間がマーケターをめざし、悲観主義者がリサーチャーになりたがるのか、マーケティングをやっていると楽観的になり、リサーチをやっていると自然と悲観的になるのか、どちらなのかも話題になる。

よく考えると業務内容そのものからこの性向の違いが生まれてくるのがわかる。マーケティングは構成要素を統合的に考えるが、リサーチは部分に分解したがる分析志向になる。当然、戦略思考が必要なマーケと戦術分析のリサーチになる。来週、来月、来年、3年先の売上や新製品を考えるマーケターに対してリサーチャーは現在の市場や過去のデータに頼らざるを得ず必然的に後ろを振り返ることになる。将来に目が行くので主観や意思が強く柔軟に考えられるマーケター、現在・過去しか見ないので客観・事実にこだわりエビデンス重視の定型思考になるリサーチャー。

これでは前者が楽観主義になり、後者が悲観的になるのは当然といえる。昨今のビッグデータ分析や機械学習が進展すれば、データを扱う人々も将来を向き、判別(識別)や予測をするようになるだろう。そうすれば、楽観主義のリサーチャーが生まれ、将来予測の精度が上がると悲観的マーケターが生まれるかもしれない。その間にデータサイエンティストが生まれてきているが彼らの基本性向は楽観なのか悲観なのか。