ゲーミフィケーションによる実験的モデレーション

グループインタビューの対象者の3つのアポリア
 ?自分の生活(行動)に意識的ではない
 ?意識できても表現力がない
 ?(他人の前で)正直に表現するとは限らない
について教えてくれたのは油谷遵さんだった。
この3つのアポリアを突破して生活者の心理分析を行うのがモデレーターの仕事である。
とも教えられた。
今なら、「インサイト」の発見ということになろう。
そのために「共感性」と「俯瞰する視線」が必要とも言っていた。
共感性は「自分(=モデレーター)の意識」を対象者の中に送り込んで対象者視線で対象者のコトバや身振りを理解しようとする姿勢で、一方の俯瞰する視線とは、そうしている自分(モデレーター)を含めてグループ全体を空高く飛ぶ「鳥の視線」で冷静に分析する姿勢である。

これを実践するとなると相当に骨が折れる事態を想定せざるを得ない。
その骨折れの原因のひとつが観察(調査)主体と観察対象(対象者)の厳密な分離にあるのではないか。
と考えるようになった。
観察主体が働きかけない限り(刺激を与えない限り)対象は動かない(反応しない)との思い込みがある。
そんなことはない。対象者は自主的に動く意欲と能力を持っている。
それなのに上記3つのアポリアを抱えているように見えてしまうのは、対象者が「どう動いていいのか」「動くとどんないいことがあるか」がわからないからである。
モデレーションは動く動機づけと、動くことでどんな楽しい事態が生まれるかを対象者に示せればよい。
その方法のひとつにゲーミフィケーションのい考え方が応用できるのではないかと考えている。

具体的方法もいくつか思いついているので、4月9日にセミナーを実施する予定である。
ゲーミフィケーションによる実験的モデレーション」といった内容にしたい。

関心のある方は是非参加していただきたい。