経済とはテクノロジーの表現である
W・ブライアン・アーサー『テクノロジーとイノベーション』を読んだ。
経済とはテクノロジーの表現である。
と言い切ったあと、現代のテクノロジーは、
・自己創造するものであり
・果てしない開放性を持っており
・果てしなく新しさを追及する
ものであるとする。
これらのことは現代経済の表現そのものである。
経済を理解するのにテクノロジーを研究するのではなく、テクノロジーそのものの姿が経済を表している。
そこから20世紀型経済と21世紀型経済とを比較して、
20世紀型 21世紀型
生産過程の最適化 製品(機能)の新たな組み合わせの創出
合理化 意味形成
商品ベース 技能ベース
コンポーネントの購買 提携関係の形成
工場をノードとして投入産出 有機的で相互関係
均衡状態のシステム研究 複雑系研究
閉性、均衡 不決定性、常なる新しさ
という違いを列挙して、20世紀型を「機械的」とし、21世紀型を「化学的」としている。
テクノロジーには「自然を征服する」タイプと「自然をまねる」タイプがあるとする従来の考えを否定してテクノロジーそのものが生成、発展し、あらゆる「組み合わせ」の可能性を含んだ複雑系であるとする。
テクノロジーは洗練されると生物学に近づき、逆に生物学が洗練されるとテクノロジーに近づくのである。
わかりずらい、読みずらい本ではあったが何か「予感」を感じさせる内容だった。
正月にでも読み直してみるか。