エスノグラフィは恥知らずな折衷主義

エスノグラフィの3連投。
ビジネス・エスノグラフィ、エスノグラフィ・マーケティングと冠にエスノグラフィをつけても内容に「新しさ」はほとんど無い。というのが結論のようだ。
行動観察、デプスインタビュー、文献分析、調査票による定量分析など使えるものは何でも使って「社会文化的アプローチ」をするのがエスノグラフィである。
だから、分析手法として体系化されることはない。
最後まで記述的である。(レヴィストロースの神話構造の分析など例外はあるが、これも記述的ではある)

「暴走族のエスノグラフィ」を書いた佐藤郁哉さんも著書の冒頭で「インタビュー、参与観察、アンケート、心理テスト、マスメディア分析、使えるものは全て使った。」と言い、自ら「恥知らずな折衷主義」とおっしゃってる。
少しは韜晦があるにしてもその通りなのだと思う。

前回の結論と同じことだが、恥知らずにエスノグラフィを連呼したモノ勝ちとなるのだろう。
唯一、捨てがたい「参与観察」の方法論はマーケティングには馴染まない。