リニューアルの鉄則

よく調べてないが、アサヒスーパードライが味も含めた大がかりなリニューアルを進めているらしい。
その間に一番搾りもパッケージを変え、タレントを嵐にしたということである。
発泡酒第三のビールの市場で戦ってきたビールメーカーが本来の戦場に戻ってきたということか。
そのきっかけがプレミアム市場へのサントリーの参入かもしれない。(それはだいぶ前か?)
動きのなかった本格ビール(発泡酒や第三ではないという意味の本格)市場がおもしろくなったのは確かである。

そうはいっても各社既存ブランドのリニューアルであり、新ブランド投入までの冒険はする気がないらしい。
そういった冒険ができるようなマーケットではないのであろう。(人口減の日本市場)
ビール各社のトップブランドは、マーケティングの常識からいうとロングセラーブランドでブランドとしては20年以上存続している。
通常、ロングセラーブランドのリニューアルは新ブランド導入よりも難しい。
ロングセラーであることは、それだけコアなユーザーが存在するということでコアユーザーは「現在のブランド」を自分のものと感じているのであって、それが「変わる」ことには基本反対である。
そして、ロングセラーを買っていない人は「変りばえのしない古臭いブランド」ということで敬遠していることが多い。

以上から、リニューアルはコアユーザーには「変わってない」とおもわれ、ノンユーザーには「新しく変わった」印象を与える必要がある。
これは言うのは簡単だがやるのは非常に難しい。
ダイエットコークの失敗もこのリニューアルのむずかしさの例かもしれない。(ダイエットコークは単純なリニューアル問題とは言えないが)

リニューアルは、既存ユーザーの評価の構造の「要」は何かをはっきり把握してからでないとできない。
そのカナメが味、パッケージ、コミュニケーションの各要素で連関していることも突き止めておかないといけない。
それがブランドイメージだからである。

以上は、鉄則であろうが、最後は「やってみればいいじゃん」という思いきりも必要になる。
リサーチばっかりやって考え込んでばかりでは進めない。