DaybyDayインタビューはエスノグラフィー

DaybyDayインタビューはエスノグラフィックインタビューに分類できる。
エスノグラフィーの主要部分は「参与観察」と「ケーススタディ(の社会文化的解釈)」であると考える。
DaybyDayインタビューは参与観察ではないが、通常のインタビューよりも対象に「参与」できる方法であり、集計などしない「ケーススタディ」である。
何故、通常のインタビューより「参与」できるかというと
・時間の流れと断絶がある
・断絶の間に省察の時間がある
・2回目のインタビューでより共感的に対象の生活を想定できる
という特徴があるからである。

インタビューでは、対象と観察者の間にほぼ完全に同期した時間が流れる。
会話での同期時間にわずかなズレがあると非常なストレスを感じてコミュニケーションを阻害する。(テレビの遠隔地同士のインタビュー、会話で感じるむずがゆさ)
現実のインタビューでは、空間を共有するので時間の同期は確実に保障される。(電話で相手が沈黙すると不安になるが面と向かっていればそれほどでもない)
インタタビュー(会話)が続いている間は観察者と対象双方がお互いの時間の流れ(意識の流れ)に参与していることになる。

そして、約24時間、時間の同期が完全に切れる。
当のインタビューは双方に関心のあるテーマで行われるはずだから、この断絶の間にインタビューに関して省察する意識が生まれる。
独自の時間・空間の中でテーマや発言・反論・意識・感覚について再構築が行われる。

その状態で翌日、再び、インタビュー(会話)すれば、双方の「参与」の意識は強化されている。
観察行為は制限を受けたままだが、観察者、対象者ともに参与意識は高まっている。

以上からDaybyDayインタビューはエスノグラフィックインタビューといえる。