ユーザーブランドストーリー

エクストリームユーザーとはつくり手よりも製品をよく知り、深く愛しているユーザーで良いのだろう。ロイヤルユーザーは「当該製品がないときは他の店を探す」との定義だったが、ネットでの買い物が進んだ現在ではネット検索で注文するで終わってしまう。「他の人に勧める」もロイヤリティの定義だが、これもSNSの浸透で素直なオススメなのかDisってるのかわからない書き込みも多い。

ということでエクストリームユーザーという表現が生きてくる。製品(ブランド)への愛がつくり手よりも広く深いとはどういうことか。かんたんに言うとメーカーのブランドマネジャーよりも知識が深く愛が強いということである。(ここではもちろん、ラグジュアリーブランドのことではなく、いわゆる最寄り品のことを取り上げている)何故つくり手はエクストリームユーザーに超えられてしまうのか。答えは簡単で、ブランドマネジャーは辞令で決まるのにエクストリームユーザーは「自分でなる」からである。多くの場合無自覚のうちに好きなブランドを買い続け、使い続け、いろいろ情報収集していけば自然にサラリーマンのつくり手を越えてしまう。

普通のユーザーがエクストリームユーザーになるプロセスはまだ良くわからない。エクストリームユーザーにインタビューしてもはっきりしたきっかけもなく、いつの間にか「こうなっていた」としか回答してくれない。ただ、エクストリームユーザーはそれぞれ個性的な「当該ブランドについての物語」を紡いでいる事が多い。その物語はこせいてきであるが当該ブランドの本質に関わっていると考えられる。つくり手から発せられた商品そのものとそれに付随する情報をたくさん受け取っているが、つくり手の意図とは違った物語・ストーリーを紡いでいる。

このユーザーのブランドストーリーこそが、そのブランドの競合優位性であろう。新しいから(新発売)安いから(特売)といった理由で浮気することはない。(してもすぐに戻ってくる)自分の行動・感情の文脈に反することは違和感・ストレスになるからである。人の日常行動は文脈依存性が高い。だから、ストレスなく生活できる。コンビニでいちいち最初から候補ブランドを選び、比較検討して今買うブランドを決めるような人はいない。一瞬のうちに買うブランドを決めている。それを支えるのが各自の文脈・ブランドストーリーである。

これを研究していく。