ネット通販のラストワンマイル

もう誰かが言っていることだと思うが、昨日半日考えたこと。今、消費と消費者の変化を考えていて、ネット通販の浸透とリアルなテンポはどこまで減るのかを集中的に考えた。アメリカではネット販売に大きくシフトし、Amazonだけでなく小売や製造企業がECシフトしているというニュースがあるが、当然、現実感がない。日本では、佐川急便からヤマト運輸への刺客としてのAmazon一括契約、Amazonとヤマトの契約見直し、Amazonの配送内製化、ヤマトの一般荷物の値上げというニュースになっている。その間、ヤマトのブラック労働も話題になった。

ゲームソフトなどネットだけで、配送・決済が完結しない「モノ」や「サービス」は、どれだけAI化、Web化が進んでも最終的にはモノの運搬という電子ではない実物の動きが必須である。製造者と消費者の間の物流ネットワークがあり、そのネットワーク上を昔は、情報(受発注)も流れていた。そこから情報だけがWebに移行したのに物流までWeb化したかのような誤解が消費者(一部メーカー側)にあったと思う。それを促したのが「配送料無料サービス」である。誰かがフリーランチ代を負担することになり、配送業者と製造業者がそれを負担した。この矛盾が出たのが2017年だと思う。

EC消費がない時代は価格の中に「物流費」がふくめられていた。それは工場から店舗までの運送(陳列)費であり、消費者宅へのラストワンマイルは消費者が負担していた。店舗までの交通費・労力である。徒歩から自家用車まで消費者負担であった。それより前の時代の「御用聞き」の価格には配達代が上乗せされていた。それが価格はそのままか安いのに自宅まで無料で配達してくれ、再配達代も無料となればECに流れるのは当然である。

流通業者も運送業も「ハブ&スポーク」の考え方にもとづいてネットワークを組んでいる。ハブが小売店舗でスポークは消費者の来店だったのが、ハブがAmazonでスポークがヤマト運輸なのだから、ECは消費者負担が少ない。フリーランチを食べていたのはAmazonではなく消費者だったわけである。

このラストワンマイルをドローンで支配しようというのがAmazonの戦略らしいが、この泥臭い最期の1マイルは電子のナットワーク作りとは根本的に違う。そんなことamazonも先刻承知だが。