人格同一性効果とレッテル貼り

第28弾「人格同一性効果」このネーミングもよくわからない。他人に何かを禁止・お願いする時、「ウソはつかないでね」というより「ウソつきにならないでね」と言った方が効果的ということ。行為よりも人格を云々されることがココロに響くということで、これは聞いただけで納得できる内容だ。子どもを叱るときも「ゲームはもう止めなさい」より「ゲームばかりしてるとおバカさんになるよ」の方がいいのかも知れないが、「やめろと言ってんだろ、バカ!」になってしまう。まあ、親子では人格同一性効果は弱いのだろう。

MRの現場では、対象者(消費者)は行動で判断されたい、クライアントは人格同一性を見い出したい傾向がある。インタビューで、いつも新しい(買ったことがない)ものを買う、買いたいとの発言に「新しもの好きなんですね」と返したら「いえ、そんなことありません」と反発されたので、次からは「好奇心が強いんですね」と返すようにしたら反発はなくなった。クライアントとのデブリーフィングでは「典型的なブランドスイッチャーでしたね」と人格化した方が同意を得やすい。最もイノベーター、フォロワー、スイッチャーなどは人格寄りも行動特性に近いが。インタビューでは、人格表現でたずねるか、行動でたずねるかで結果が大きく違うことがある。

別れ話のとき「嫌いにならないで」よりも「他人同士戻りたくない」が効果的なのかはわからない。いや、他人同士と言うのは人格とは関係ないか。ということは別れは止められない。

ある行動を攻撃するよりも人格攻撃が苛烈になるのは当然か。安倍政治を攻撃するより、安倍はヒットラー、独裁者と攻撃するのも人格同一性効果?