ところで、ジンクピリチオンって何だったの?

第25弾は「ジンクピリチオン効果」科学者のマーケットでは「わけのわからない専門用語でケムに巻く」ことを言うらしい。池谷先生が例に上げたのは「一酸化二水素」は規制すべきかという質問に多くの人が規制すべきと答えること。もちろん、これは水のことだからそもそも設問自体に意味がない。なのにそれらしい用語(専門用語くさい)を用いられるともっともらしい反応になる。

ジンクピリチオン効果はマーケティングから出たコトバなので、マーケティングはこの効果を狙っていると言っていい。ウソでもいい(いけない!)からそれらしい専門用語的表現をもってくるとコンセプチュアルな印象を演出できる。ジンクピリチオンはシャンプー出身だが、日用雑貨、化粧品ではこのジンクピリチオン効果ねらいが多いようだ。ヒアルロン酸コエンザイムQ10、の次に来るジンクピリチオンを開発すれば相当の売上が見込めそうだ。

食品は口に入れるものだけにあまりに化学(科学)的用語はかえって敬遠される。乳酸菌の差別化のためにアルファベットの開発記号的ネーミングと開発者の名前から取ったネーミングの争いをみていると、長期的には「飛びすぎた」ジンクピリチオンは、記号性から情緒を派生させる(広告宣伝で)ことをしないと負けるのではないだろうか。あと、ジンクピリチオン効果はマイナス方向でも使われる。「不飽和脂肪酸」は体に良くないと言われると確かにそんな気がしてくる。糖質まで悪者にされる昨今、ジンクピリチオン効果の開発は難しい。

関係ないが、自分にとって最近のジンクピリチオン用語は「エピジェネティクス」である。なんか神秘的であり、科学の匂いもする。少しエロティックな方が良いかも。