『行動経済学の逆襲』

しばらく行動経済学関連の読書をしてなかった。タイトルはイマイチだが、セイラー先生の本をよみながら、もう一度頭を整理しようかと。

本流経済学が想定する「エコン」は「合理的期待」に基づいて選択しており、限られた予算の下で最良のものを選ぶ「制約付き最適化」を行い、それは「均衡」という概念に強く結びついている。このエコンの世界に対して現実の「ヒューマンの世界」を提案してきたのが行動経済学である。

ある行動を選択することで失われる利益のことを「機会費用」という。機会費用の表現の仕方で、印象は大きく違う。カード支払いと現金支払いで、カード支払いに数%の手数料が乗るとき、「現金割引」というか、「手数料上乗せ」かでは印象が違い、行動(選択)に影響する。のちにカーネマンとトヴェルスキーが「フレーミング」となずけたものであるが、セイラーは「保有効果」と名付けていた。

行動経済学が想定する、エコンに対するヒューマンの行動原理を最初に定式化?したのはサイモンらしい。サイモンは「限定合理性」という概念で、人の認知能力には限界があるので、複雑な問題解決のためにはすべての可能性を検討できないとした。

さらにリスク状況下での意思決定の形式理論は「期待効用理論」として、1944年にフォン・ノイマンとモルゲンシュテルンによって定式化された。『ゲーム理論と経済行動である。

そして、期待効用理論に代わるものとして提唱されたのが「プロスペクト理論」である。プロスペクト理論は、富の状態から「富の変化」に着目したことが最大の特徴である。

だいぶ、頭が整理できた?