「記憶のしくみ」

ブルーバックスの『記憶のしくみ』上下をやっと読み終わった。
最初は復習的でわかりやすいとおもっていたが、なかなか手ごわかった。
記憶には陳述記憶と非陳述記憶があり、それぞれ違った「しくみ」を持っている。
陳述記憶は意識的な「想起」を非陳述記憶は、無意識的「遂行」という論理を持っている。
さらに陳述記憶と非陳述記憶では神経システムが違うが、シナプスの強度変化に依存する短期記憶があり、最終的に長期記憶となるには遺伝子とタンパク質の活性化が必要であるという共通の仕組みがある。

ここで、マーケティング的に考えると我々は、よく「ブランド想起」をリサーチするが、それとあるブランドを買う(選択する)という「遂行(選択行動)」とでは記憶の論理が違うという点が注目できる。
前者は陳述記憶であり、後者は非陳述記憶であるから、分子レベルでの仕組みは同じでも論理的には別物、切れているということになる。
AIDMAは脳科学的に否定されたということか。リサーチから消費者行動は説明できないということか。