ブランドイメージとアクティブインタビュー

マーケティングリサーチでブランドイメージというとまず、SD法による測定が思い浮かぶ。
通常は対極のイメージワード(多くは形容詞)を用意し、間を5段階に区切ってそれぞれのブランドの位置を調査して集計して平均点を出してポジションするという方法が採用される。
暖かいvs冷たいのような対語が使われる。
SD法ではこの対語の採用がキモになる。
事前にFGIや、因子分析によって「効く」対語を探索する。
さらに時間経過に耐える対語を確定できれば、時系列のブランドイメージの変遷がわかる。
想像通り、こういった頑健性を備えた対語の数は少なくイメージの構成要素が少ない、素っ気ないブランドイメージになることが多い。

定性調査でブランドイメージを測定すれば、あらかじめ決められたイメージ項目を使うSD法よりも豊かなイメージ測定ができると思うかもしれないが、多くはSD法よりももっと貧弱な結果になる。
一般生活者が表現できるようなイメージワードは限られている。
そもそも生活者は、SD法のようなマップ(イメージ)を持って生活しているわけではない。
そこで、定性調査で工夫できるのは、潜在的なイメージの把握である。
ホントにそういうイメージを持っているのかは本人自身も気づいていないし、確信もないが、潜在するイメージを引っ張りだすことはできる。
その方法論のひとつがメタファー法である。

まず、画像(写真)を選ばせ、その写真そのものを語ることでイメージ(脳内)を活性化させ、最終的に当のブランドと結び付けさせるのである。
こうすることで思わぬワードが出てくるし、ブランドイメージの微妙な表現になっていることがある。
ブランドイメージの変遷をとらえる方法としても有効であろう。
このメタファー法もアクティブインタビューのやりかたのひとつである。