役に立たないマーケティングリサーチ?

前回の続き

「悪意のあるレポート」でウチを切り捨てた当のクライアントさんの動きをしばらく追いかけたが、リサーチしたコンセプトの商品やそれに似たコンセプトの新商品も発売されなかった。
ということは、ウチのレポートは悪意どころか「無駄な(失敗の)投資」を回避させたという大きな善意(メリット)をクライアントに与えたことになる。
それは担当者のメンツは潰れたのかもしれないが、そんな見栄に固まった担当者は早く製品開発から外すべきである。と遠吠えしてみたが空しいだけ。
リサーチ料金は全額いただいたので取引上は全く問題ないのだが、しばらくノドに刺さったホネだった。

それとは別に、あんたは調査で「行ける」と太鼓判を押したが、発売したら全く売れなかった。というクレームを受けた事がある。
そこで、デザインや機能について製品をチェックしていったが、リサーチ結果にそって開発されていた。
しばらく悩み、自信も崩れ、どうしても納得いかず、店頭で製品を見てみて驚いた。
価格がリサーチの時の5割増しになっていた。
さっそく担当をつかまえて「価格は調査での呈示価格より1割くらいは下げないと売れない」とレポートしたはず、と迫った。
「んなこと言ってもラインの投資からこれ以下の価格は社内を通らなかった」と口を尖らすだけ。
これはお互い「しょうがないね。」と慰めあっておわった。

その後、しばらくの間、クライアントさんに「成功報酬(売上の0.1%とか利益の1割とか)」を提案してみたがどこでも笑い飛ばされた。