Preplay=前再生

理研BSIのプレスリリースに以下のような記述がありました。

新しい迷路を学習しているマウスの海馬で神経回路パターンが学習の時間順序に従って特異的な発火パターンを示すらしい。このパターンの観察からそのときマウスがどこにいたかを研究者は特定できるということである。

迷路を覚えこまされたマウスが、新しい迷路に遭遇するとその場でしばらく止まっているらしい。その時、記憶と学習の場である海馬で今までの経験に基づいた神経回路パターンが順番に発火することがわかったというのが今回の発見だそうだ。

記事には、
初体験の迷路のような空間的に新しい経験をしている間に発火する神経細胞の発火パターンの一部がその経験の前に既に観察されるということを見つけました。この結果は、元々我々が持っている経験が、状況が新しくなったときに経験することに影響するという現象を神経回路レベルで説明します。これは、同じ状況に陥った時に、なぜ個体ごとに異なる脳内表現が形成されてなぜ同じように反応しないのかという問いに部分的に答えを与えるものです。
とあります。

これをニューロマーケティングの立場で考えると、
・ブランド認知や購買行動は過去の学習や記憶に基づいてパターン化しやすい
・過去の学習や記憶は消費者個人個人の差が大きいので新製品の受容にも差が大きくなる
・ターゲット消費者が持っているだろう学習や記憶のパターンをなぞった戦略が有効だ
・だから、新規性(新奇性)が強すぎる新製品は受容に時間とコストがかかる
というようなことでいいのだろうか。

脳研究は「踊り場にある」という認識だったが、新たに動き出すかもしれない。
この研究にはあの利根川進がかかわっているとのこと。

http://www.brain.riken.jp/jp/news/2010/20101224.html