学芸員のちから

美術館の企画展のタイトルもよく見ないで入って観て、その企画に感動することは少ないだろう。
企画展そのものが少ないのかもしれない。
ほとんどは画家の名前をタイトルにした展覧会だろう。

学芸員という仕事はよくわからない。
各美術館、博物館には必ずいるはずだが、どんな人がどんな勉強をしてどんな日常的な仕事をこなしているのかわからない。そもそも資格とか試験とかあるのだろうか。
美術館、博物館が買い入れる作品の決定権はないだろうが、市場価値や当の美術館にふさわしいかなどのアドバイスをしているのだろうと想像する。
まさか、美術品の修復は学芸員の仕事ではないだろう。

先週観たブリジストン美術館の「セーヌの流れに沿って」という企画展が時間がたてばたつほど印象が強くなり、これを企画した人(学芸員?)に関心がわいた。
フランスどころか海外は2箇所しかいったことがないのでセーヌがどこをどのように流れているかは地図の上でしかしらないので、絵をみても景色が彷彿されるということはない。

印象はルソーの絵によっていると気づいていた。
目録で確認したが、記憶の通りルソーは4点でていた
最初の絵を見たときは「あ、ルソーだ」ぐらいだったが、歩くうちに2点、3点で非常に「暗い」ポイントになっていた。
今、目録のタイトルを見れば、セーヌと都市風景」というコーナーで4点だから、パリの街角の暗がりを表現していたのかと想像できる。
なかでも「要塞のながめ」は暗かった。
広島美術館蔵とあるから出張の際、見ていたかもしれないが、初めて見たと思う。

個別の作品だけでは表現しきれない展覧会全体のテーマ、雰囲気を作品の展示順序や場所で表現したとしたら、この展覧会の企画者(学芸員)は「相当なもの」なのではないか。
いまさらだが、学芸員にあこがれる。