「食える数学」神永正博

死ぬまで続く数学コンプレックス。
読み終わったこの本のほかに積んであるのが、「美しい数学」「美の幾何学」「キュートな数学名作問題集」「数学は言葉」の4冊、読みかけが「統計学入門」(小島寛之)ともう1冊行方不明。

巷では数学ブームが再びか、みたびか、四たびらしい。

この神永さんの本で、著者側として、「数学に親しみをもってもらおうとすると、つい、数学者の数奇なエピソードへ走りがち」になるらしいことを書いていた。
確かに、二十歳で「くだらない色恋沙汰」の決闘で死んでしまったガロアが「時間がない」と叫びながら「5次以上の代数方程式には解の公式が存在しない」という、これまた23歳で結核で死んだアーベルの証明方法を劇的に簡略化した。という物語の方が、証明方法の数式よりも楽しそうであることは間違いない。

印象に残っているのは、フーリエ解析の説明、ベイジアンフィルターの説明、数学分類で「数学?」と「数学科数学」という分類の仕方、グラフ理論の説明、などである。

改めて数学を勉強しようという気は起こらないが数学の「使い方」が少しわかったような感じ。