六次の隔たりと三次の影響

六次の隔たりミルグラムの有名な実験、その後のダンカンワッツらの地球規模の実験で確かめられた「あらゆる人が平均して六次の隔たりで相互につながっている」というものである。
知り合い(1次)の知り合い(2次)をたどっていくと平均して6人の知り合いを介せば世界中の人間、例えばオバマ大統領ともアラスカでセイウチ狩をしているイヌイットの人とも「つながれる」ということで「スモールワールドネットワーク」とも呼ばれる。
自分で実験したことはないが、これはネットワーク分析での正しい命題となっている。

16日に実施したアウラセミナー「ネクサスインタビュー」とも関係したのでクリスタキスとファウラーの「つながり」を読み直して、「三次の影響」にまたぶつかった。
本には「私たち自身の研究から」としかないが、社会的ネットワークにおける影響の広がりは「三次の影響のルール」従うと断言している。
六次の隔たりのように実験で確かめられたと言い切っていないところが怪しいが、感覚的にはわからないでもない。

グループインタビューで「この新製品を誰から教えてもらったか?」「幼稚園のママ友」が使っていた、「その人も近所の奥さんに教わったと言っていた」ということがまれにある。
それ以上の「つながり」はインタビューでは聞けないし、対象者にもたどれないはずである。
だから、実験が必要だと思うのだが。(誰かやってくれないかな)

クリスタキスらは実験のことにはふれずに三次の影響の原因を3つ挙げている。
 ?水面の波と同じで進めば弱くなる。(物理的減衰)
 ?三次以上のネットワークは不安定化する。(引越し、離婚、死亡などでリンクが切れる)
 ?ヒトの初期集団が三次以下の隔たりでつながっていたDNAの記憶のせい(進化生物学)
ということであるが、何か説得性に欠ける気がする。

やっぱり、だれか実験してくれないと。