朝の音

ユーミン荒井由美だったころの歌の歌詞で「雨音に気づいて遅く起きた朝は、まだベッドの中で半分眠りたい」というのがある。この「半分眠りたい」という表現がすぐれていると前々から思っていた。ネット検索で詩全体をチェックしたが、後半はユーミン独特の恋愛感情の表現になっていて、それなりに感心するものの「半分眠りたい」に匹敵するものはなかった。

朝のうつらうつらのなかでそんなこと思いながらボーッとしていたら、そういえば「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」が思い浮かんだ。
都都逸らしいが、遊女と遊んだ客か遊女自身が、朝の別れのせつなさ、名残惜しさをうるさく騒ぐ明けのカラスを殺すことでもう一度ヌシ(コレは女を指しても客を指してもどちらでも成り立つらしい)と情交を交わしたい(ま、おしゃべりでもいいのだが)という情景をうたったものといわれている。

ただ、これの作者が高杉晋作という説もあり、もしそうなら断然違った印象になる。
2人の情緒を邪魔するカラスとは勤皇の志士だったり、高杉の仕事だったりするわけで、ヌシは男(高杉)となる。
「久しぶりに会って一晩一緒にいられたのにヌシは「政治」とかいう詰まらん仕事に夢中で、明けのカラスにせきたてられて出て行ってしまう。」と嘆く妻、愛人、遊女、の詩となる。

そして、唐突に、民主党の代表選挙では民主党関係者は高杉ではなくユーミンを選んだな。と思った次第。