脳科学の出口

藤井直敬さんは「つながる脳」の序章で、現在の脳科学の進歩は踊り場状態にあり、藤井さん自身は脳科学の出口が見えないと悩んでいるとおっしゃっています。
その藤井さんが想定している出口は「ブレイン・マシン・インターフェースBMI)技術の進展で脳と環境の関係性が変わり、脳と脳つまりヒトとヒトの関係性が変わってくる。そして、自己とは何か、もしくは自己と他者の境界はどこにあるかなどの哲学が扱ってきた疑問が、脳科学でアプローチできるようになる。」という、一種の宣言になっています。

ニューロマーケティング、神経経済学などは脳科学の成果を取り込んでいますが、期待したほどの進展をみせていないのはこのBMI技術と分析手法の未熟さが原因のようです。
そういった技術的なブレイクスルーのためにも脳と脳との「関係性」に注目した脳研究のコンセプトの見直しが必要と主張されています。

我々、マーケティングリサーチの現場にいる人間としては、とりあえず現在のBMIであるfMRIを使ってどこまで消費者のブランド認知、選択、評価がどの程度測定できるのかをまとめてみる必要がありそうです。早く藤井さんの本を読み終わらなくては。