鉄路と光ファイバー

旅行関係のインタビューの対象者で20歳の女子大生
 ・高知市出身で大学入学で初めて東京住まい。
 ・高知時代は電車にのることはほとんどなかった。バスかチャリ。
 ・鉄道は市内に出てくる「田舎モノ」が乗るもの。
 ・インタビューで本の「時刻表」を生まれてはじめて見て、「何んすか、コレ?」
 ・最近、初めて新幹線に乗って感激。
一方で、
 ・PCだけでなく携帯でも四六時中ネットに接続。
 ・勉強、仲間、遊び、あらゆる場面でネットが必需品
 ・外国にいる友人経由で世界のあちこちに友達(メル友)がいる
というプロファイルでした。

ここで、鉄道とインターネットでは、どちらが外の世界と「つながれ」るかを考えました。
日本の近代の物語のイメージの中の鉄道は、田舎の因襲に満ちた狭い世界に反発した若者が遠い都会(東京)から世界につながることができる憧れの乗り物という一面があります。
そのつながりを象徴するものが二本の線路です。
一方で、小学生の時からネットを利用し、英語さえできればほぼ全世界と居ながらにしてつながることができる現代の若者は、遠い世界、違う世界に「憧れる」ことがあるのか疑問といえそうです。
鉄路という具体的なイメージで外界とつながることができず、そうかといって、インターネットは線路が見えないので「つながり」がイメージにならない。

外の世界への憧れをあらかじめ奪ってしまうインターネット。
インターネットに持つ昔からの負の印象、「広がるように欺いて、狭いブラックホールに吸い込もうとしている」誰か。