ネットリサーチ結果からペルソナを作る

ネットリサーチになってから「原票」を見ることができなくなった。大昔は集計計画を作る前やデータの解釈に困った時によく原票をみるということをした。ストレートな解決には結びつかないが豊かなヒントをもらえた。サンプルひとつづつの回答票を最初か最後まで小説を読むように読み込むのである。すると回答してくれたサンプルの「心の動き(大げさ)」が見えてくることがある。質問間の矛盾は今は論理チェックで予め排除されるが訪問面接ではそこまでチェックできないので矛盾がそのままのこる。しかし、この回答矛盾をよく見ると新しいストーリー・文脈が見えてくるのである。それが分析に使えた時の喜びは相当のものである。こういうときリサーチャーとしての醍醐味を感た。

そのことを思い出したからではないが、昨日、ネットリサーチの報告書を書き終わった後「ネットリサーチの原票」であるローデータを見てみた。どうせなら典型的なサンプルを見てみようとそのテーマのターゲットとされるサンプルを探し出してスクリーニングから最終質問までをラベルデータと首っ引きで見た。さらに回答肢の文章をそのままにして、全体をストーリー化した。その文章を調査票の順番通りを基本に少しアレンジし、「抜けている」と思われる部分を「創作」すると、まあ、見事なペルソナができあがった。いわゆるn=1リサーチである。

この分析方法を発展させれば、クラスター分析のプロファイリングに使えるのではないか。と思っている。